【コラムNo.44】内装工事専門会社を例に見るM&Aの基本的な仕組み

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【コラムNo.44】内装工事専門会社を例に見るM&Aの基本的な仕組み

M&Aとは何なのか、どのような時に行うのか



M&AとはMerger and Acquisitionの略称で、企業の買収・合併全般を指します。株式会社というのは取締役などの経営者のものではなく、株を買って出資した株主のものであるので、別の会社が株を株主から買い取り、筆頭株主となればその会社の経営権は買い取った会社のものとなるわけです。

M&Aにはお互いの企業が合意の上で行う友好的買収と、現在の経営陣にとって好ましくない者が会社乗っ取りを目的に行う敵対的買収があります。ニュースでセンセーショナルに取り上げられがちなのは敵対的買収ですが、実際には日本で行われているM&Aの7割は中小企業による友好的買収です。その理由として挙げられるのが後継者の不足です。

1960年代の高度経済成長の折に日本では多数の中小企業が生まれました。しかしそれから半世紀以上の年月がたち、長びく不況や少子高齢化、3K業界への敬遠などによってそれらの企業の多くでは稼業を継ぐべき後継者が不在となってしまいました。株式上場で株主を募るほどの余裕はなく、会社を清算してしまっては従業員が路頭に迷うことになるので、結果として同じような問題を抱えた中小企業同士での企業合併を行い、事業の存続を図ることが近年の日本では増加しています。それ以外にも大手企業の傘下に収まることでさらなる業績拡大を図る、多角経営の推進のために異業種を買収するなど、M&Aを行う理由には様々なものがあります。そのため、M&Aを仲介する専門業務もまたその数を増やしています。



M&Aアドバイザーとはどんな仕事なのか



M&Aは法律及び財務に関する深い知識を要求されます。よって、この仕事を行うのは法律の専門家である弁護士や司法書士、財務のプロフェッショナルである公認会計士などが行っています。アドバイザー、コンサルティングといった名称で、M&A関連業務を専門に行う法律事務所なども年々増加しています。では、こういった専門会社というのはどのようにして仲介を行っていくのでしょうか。

M&Aをする相手を探すというのはとても大変な仕事です。競合同士の合併では何かしら過去に因縁や、そこまでいかずともトラブルの種があることも珍しくはないですし、かといって異業種では畑違いの仕事をする相手を正確に評価して価値があるかどうかを判断するのは難しいものです。M&Aアドバイザーはまず売り手と買い手の情報を集め、条件が合ったもの同士のマッチングを行います。うまく相手が見つかった場合には契約交渉を行うにあたっての合意を行う基本合意書を用いて本契約が円滑に進むようにします。

合意がなされた場合、デューディリジェンス、いわゆるDDという監査を行います。これはお互いの企業が具体的にどのくらいの資産価値を持っているのか、企業合併を行うことでどのくらいのリスクがあるのかを推し量るものです。DDには調査を行う者と調査内容によって様々な種類があり、銀行が行い経営実態を把握するビジネスDD、弁護士が行い契約や取引の内容を精査し法律上問題がないかを調べる法務DD、公認会計士が行い財務状況を調査する財務DDなどが主に挙げられ、それ以外にも法人税や事業税の申告が適切かを確かめる税務DD、人材マネジメントの状況を調べる人事DD、コンピューターの管理システムを調査するITDD、環境汚染対策について調べる環境DDなど、調査対象は多岐にわたっています。

DDの結果を踏まえて、合併契約書や株式売買契約書などの必要書類が法務DDを行った法律事務所により作られて締結されます。この契約書は双方の企業の取締役会や株主総会での決裁にかけられ、決裁が下りればいよいよM&Aは行われることになり、双方が交わした契約に定められた日に実行されます。

総括すると、M&Aアドバイザーは、企業の買収や合併などに関するアドバイスのほか、契約が成立するまでのまとめ役を担うなど、一連を担当するものです。別名ではファイナンシャルアドバイザーである「FA」とも呼ばれることがあります。優良企業を存続させたり、雇用を継続させたりするなど、社会的な貢献度が高い職業と言えるでしょう。



内装業と酒類業におけるM&Aの例



具体的なM&Aの例として、2014年1月に行われた内装工事業と酒類販売業の2社の合併を見てみましょう。

この内装工事業者はオフィスや店舗の内装の設計と施工を行っていました。質の良い仕事を行うことで評価を得て、業績を伸ばしていましたが、さらなる事業拡大を行うためには資本を増やし信用と人材を拡大する必要があると考えていました。一方、酒類販売業者は顧客や自社の小売店舗の内装工事も内製で行うことで効率化を図り、またグループ会社が行うオフィス機器販売事業の顧客からも内装工事を希望する声が上がっていました。

そこで、事業拡大の為の資本を必要としていた内装工事業者と、事業の多角化および相乗効果を期待していた酒類販売業者の利害が一致したため、酒類販売業者は内装工事業者の発行済株式を全て取得し、両者の合併、酒類販売業者による買収が成立しました。

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