日本クレアス税理士法人| コーポレート・アドバイザーズ(20年・2000件以上のM&A支援実績)の実務経験者による監修「よくわかるM&A」

会計事務所のM&A動向・売却相場・メリット・成功事例を解説 | 2023年最新
監修者:伏江 亜矢(株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A 企業提携第三部 部長)
会計事務所・人材サービス(派遣・アウトシーシング)など担当

会計事務所のM&A・売却については、大手会計事務所やコンサル会社による譲受けニーズが増えており、売却価格相場は上昇傾向にあります。本記事では、M&A動向、売却メリット、価格相場のほか、成功事例を紹介いたします。

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会計事務所・税理士事務所のM&A・売却動向

会計事務所・税理士事務所とは?

会計事務所は、法人・個人の税務相談や、税務申告業務、記帳代行などの税務・会計に関するサービスを手がける事業所の俗称です。ここで俗称と説明したのは、会計事務所と業務が重なる税理士事務所という名称が、税理士法で正式に定義されているからです。つまり、会計事務所の定義は法律で定められていません。

また、公認会計士が5人以上集まり設立した法人である監査法人のことを、会計事務所と呼ぶこともあります。一般的に、税理士の独占業務だけではなく、会計に関する各種サービスやコンサルティング業務も手がける法人を会計事務所と呼んでいます。この記事では税理士事務所(法人)と監査法人を除いた会計事務所について見ていきます。

会計事務所を取り巻く環境とM&A動向 

会計事務所の規模は従業員数が5人以下の零細事務所から、従業員50名程度の中規模事務所、従業員100名規模の組織化された大規模事務所、「BIG4(ビッグフォー)」と呼ばれる、世界的な国際会計事務所グループまで、ピンキリです。組織化された地方都市の事務所は、地場の大企業や有料区企業をクライアントに持つ「地域密着型」の事務所も多く存在します。

都心の場合、企業の数も多く業種や企業規模もさまざまであることから、零細からBIG4まで大小の事務所がひしめいている状況にあります。特に小規模事務所は新規開拓により、事業規模が拡大しているところもあり、小規模だからといって一概に将来性がないとは言えません。また、創業期にあるベンチャーやスタートアップを顧客にもつ事務所なども成長の余地があると言えます。

ただし、会計事務所を取り巻く環境自体は、バブル経済後のデフレ不況やオーナー経営者の高齢化などを背景に、法人数では日本企業の99.7%を占める中小企業の数は減少していることから、市場全体のパイは減少しています。こうした背景から、顧問先数が減少し売り上げ減少に見舞われている中小会計事務所も少なくありません。

このため大規模会計事務所では、税務・会計に関するサービスの他に、グループでM&A仲介業務を手がけたり、コンサルティング業務を行う別会社化したりする動きも出てきています。また、中小事務所をM&Aにより傘下に収め規模の拡大を狙うニーズもあります。特に中小・零細事務所においては、オーナー所長の高齢化と後継者難により、クライアントごと事業譲渡を望むケースもあります。

売却・譲渡側のメリット

一方の譲渡側企業にとっては、従業員の雇用の継続ができるとともに、大手の傘下に入ることで先行きに対する従業員の不安が解消されるメリットも得られます。また事業を譲渡して手に入れたお金を、オーナー様の退職金代わりにすることもできます。

また、オーナーの引退がM&Aの動機とは限りません。例えば、従業員の待遇改善や、新規顧客の獲得、大手傘下に入ることによる従業員のモチベーション向上などがM&Aの動機となる場合もあります。

さらに、地方の中小事務所が全国展開している大規模法人のグループに入ることにより、新たな顧問先が開拓でき、若手の税理士や公認会計士を新たに採用できたというような例もあります。こうしたケースは珍しくなく、中部と北陸、関東と近畿といったように、地域を越えたM&Aにより新たな文化が芽生えると言うこともあります。

買収・譲受け側のメリット

大手会計事務所がM&Aにより傘下に収めるメリットとしては、規模の拡大と共とともにに有能な人材や有料な顧問先を確保できることが第一に挙げられます。また、自社が未進出の地域の事務所のM&Aを行うことにより、事業エリアを広げることができます。

会計事務所のM&A手法

中小事務所を中心とした会計事務所のM&Aの特徴としては、譲渡側の中小事務所が株式会社ではないため、株式譲渡というケースが少ないことが挙げられます。したがって、会計事務所のM&Aは事業譲渡という形で行われることが多い状況です。

▼以下記事では、事業譲渡について詳しく解説しています。

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会計事務所のM&Aにおける留意点

ただし、会計事務所のM&Aについては、メリットばかりではありません。譲渡側の従業員にとってはM&Aによって経営者が分かることに反発を覚え、従業員の大半が事業譲渡までに退職をしてしまい、顧問先からも解約の申し出を受けるような失敗をしたケースもあります。

このケースが失敗に終わったのは、従業員側にM&Aによって職場環境や働き方が変わるのではないかという不安や疑念が根底にあったからだと考えられます。これまでアットホームな環境で働いてきたのに、大手の傘下に入ることで、組織の歯車のような扱われ方をするのではないかと言って退職を決意するというものです。 こうした事態にならないためにも、譲渡側のオーナーが従業員への説明を尽くす必要があるでしょう。

会計事務所のM&A・売却価格の相場は?

会計事務所のM&A・売却価格の相場は、年々上がってきています。その理由としては、会計事務所のM&Aを行う仲介会社等が増えておきており、会計事務所のM&A市場が確立されてきたこと、大手会計事務所同士による獲得競争が激化していることが挙げられます。

売却価格の相場としては、以前は「営業利益の2~3年分程度」が相場でしたが、最近では、「営業利益の3~6年分程度」のケースが増えています。

会計事務所のM&A成功事例

M&Aによる経営統合が職員の成長と付加価値業務の深化を加速した事例

■きめ細やかなサービスで地域医療を支える 日本クレアス税理士法人大阪本部

日本クレアス税理士法人グループ(本社:東京都千代田区)は、約260名規模の総合型会計事務所グループです。同グループの特徴のひとつとして、後継者不在の会計事務所の統合により組織を拡大し続けていることが挙げられます。日本クレアス税理士法人大阪本部は、5年前に同グループに加わった大阪でも有数の医業特化型事務所で、グループの医療関連事業の中軸を担っています。以下サイトでは、大阪本部会長の上田久之氏から、経営統合の経緯やメリットについてのインタビューが掲載されています。

まとめ

足元では大手会計事務所において、優秀で経験のある税理士や会計士を確保して顧問先を広げたいという根強いニーズがあります。こうしたニーズがあるうちに、事業を継続する選択肢の一つとして、M&Aを検討してみていただければと思います。

コーポレート・アドバイザーズM&Aでは、自社グループ(日本クレアス税理士法人)による譲受けのほか、他の会計事務所やコンサル会社の候補先のご紹介も可能です。M&Aによる課題解決をご検討中の方は、是非お気軽にご相談頂けますと幸いです。

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伏江亜矢
監修者:伏江亜矢
株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A 企業提携第三部 部長
金融機関で法人営業を担当後、2012年にコーポレート・アドバイザーズ入社。M&Aの事前準備から、候補先のソーシング、企業価値評価、条件交渉、クロージングまで一気通貫した支援を行っている。 ヘルスケア・ライフサイエンス(医療・介護・メーカー・卸商社)、IT・ソフトウエア(Webサービス、システム開発)、人材サービス(派遣、警備、ビルメンテナンス)などのM&A支援経験が豊富。 M&A成功のために必要な情報をわかりやすく解説するコラムサイト「よくわかるM&A」の運営責任者。
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海外現地法人サポート
非上場株式売却コンサルティング(非上場株式サポートセンター

■社員数
417名(グループ全体 / 2023年10月現在)
税理士(試験合格者含む)56名
公認会計士(試験合格者含む)15名
特定社会保険労務士2名
社会保険労務士(試験合格者含む)12名
弁護士 2名
相続診断士41名
中小企業診断士1名
行政書士4名

■関与先
法人 3,240社(うち上場企業85社)
社会福祉法人 133件
クリニック・医療法人・介護福祉等 593件
個人 4,015名
合計 7,981件

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