日本クレアス税理士法人| コーポレート・アドバイザーズ(20年・2000件以上のM&A支援実績)の実務経験者による監修「よくわかるM&A」

M&Aアドバイザーとは?仲介とFAの違い、役割・業務内容、選び方を解説。成約事例も紹介
監修者:木下 正康(株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A 企業提携第二部 部長)

M&Aアドバイザーとは何か、その役割や業務内容、選び方などについてわかりやすく解説します。M&Aを専門家へ相談する際の参考として活用できる内容です。

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M&Aアドバイザーとは

M&Aアドバイザーとは、経営者または投資部門や戦略部門に対して、M&Aに関する各種助言および実行支援をおこなうM&Aの専門家です。

広義には、M&Aが実行されるまでの全体の中の一部のプロセスに関与する弁護士、公認会計士などの専門家も含みますが、多くの場合は、M&Aが実行されるまでの全体のプロセスに関与するコーディネーター役を果たす者を「M&Aアドバイザー」と称しています。

尚、「M&A」という言葉は、「Mergers and Acquisitions」の略であり、直訳すると「合併と買収」という意味になりますが、「譲渡すること(売却)」の意味も含めて「M&A」という言葉が使われています。

以下では、M&Aアドバイザーの役割、M&Aアドバイザーの業務内容、M&Aアドバイザーを選ぶポイントについて、詳しく説明します。

M&Aアドバイザーの役割と業務内容

M&Aアドバイザーの役割は、「M&Aを検討したい。」という初期的な段階から、「M&Aを実行する。」という最終的な段階(例えば、株式を譲渡して、その代金を決済する。)までの全部または一部において、M&Aに関する専門的な助言や実務的な支援をおこなうことで、相対でおこなう場合のリスクをヘッジし、最適なM&Aの実現を支援することです。

その為、M&Aアドバイザーは、M&Aに関する財務、会計、法律、金融などの幅の広い知識の他にも、判断材料となる多くのM&Aの実例や、経営判断、市場環境などを把握し、かつ理解し、最適な支援をおこないます。

以下では、M&Aの「検討」から「実行」までのプロセスを、次の3つのフェーズに分けて説明します。

フェーズ①:ソーシング(事前準備)の段階

条件の明確化

M&Aアドバイザーは、M&Aの希望条件を明確にするため、先ずはM&Aを検討する方が希望する各種の条件の実現性について検証し、M&Aを検討する方に対して助言をおこないます。

その中の一つとして、株価算定をおこないます。つまり、M&Aの相手方に提示する条件の根拠性を、ロジカルに説明できるように準備します。

▼以下の記事では、M&Aの価格の決め方を解説しています。

候補先(相手方)の選定

M&Aアドバイザーは、M&Aの候補先のリストアップをおこないます。

M&Aを検討する方が希望する候補先または候補像(例えば、「同業者はNG」など。)を基本として候補先のリストアップをおこないますが、希望していない候補像についても、有効的なシナジー効果が見込めると考えられる場合には、一案として提案することもおこないます。

この点については、検討者であるクライアントに言われたことだけに助言をおこなうM&Aアドバイザーも居ますので、見極めが必要になります。

また、候補先のリストアップに必要となる情報量の大小については、原則、「M&Aの実行情報」は公開されるものであることから「情報量の多さ」よりも、系列や与信枠などのM&Aアドバイザー側の都合により条件が制限されない立場のM&Aアドバイザーを選ぶことがポイントになります。

フェーズ②:オリジネーション(相手探し・選び)の段階

M&Aの候補先の選定

M&Aアドバイザーは、ソーシングのフェーズで選定したM&Aの候補先に対して、具体的なM&A内容の説明をおこない、検討の可否判断を調査します。

その後は、検討者と共に、可の判断をおこなった候補先の中から、最もM&Aをおこないたい候補先を選定します(基本的には1社に限定します。)。

また、その一環として「トップ面談」と称される、譲渡人と買手企業のトップ同士の面談のセッティングなどをおこないます。M&Aアドバイザーの提案力や交渉力などのコミュニケーション能力が重要なポイントとなります。

交渉力については、「そのM&Aアドバイザーが、多くの類似事例(M&A結果)を有しており、そこから、客観性のある類似情報を提示できるのか?」がポイントになります。もし、M&Aを結婚に例えるならば、「お見合いから婚約」までのフェーズにあたります。

そして、フェーズ③は、「婚約から結婚」までのフェーズになります。

フェーズ③:エグゼキューション(条件調整)の段階

基本的な条件の事前合意

M&Aアドバイザーは、当事者同士(M&Aの検討者と、フェーズ②で選定した候補先)間で、基本的な譲渡条件についての事前合意を図ります。

具体的には、基本となる以下の条件等について、書面を交わす形で合意形成を図ります。また、M&Aアドバイザーは、基本合意条件の調整、書面の草案作成などをおこないます。

○スキーム(M&Aの方法。例えば、「株式譲渡」等。)

○金額

○実行までのスケジュール

○従業員の雇用条件

○デューデリジェンス(買収監査)の受入れ

○独占交渉権(優先交渉権)の付与

○費用負担など

デューデリジェンスの支援

M&Aアドバイザーは、買手企業が提出を求める数多くの資料と質問を整理し、スムーズに提出できるように支援します。

この点、買手企業側が開示を求める資料を作成していない、または保管していないケースも多くあり、M&Aアドバイザーは必要に応じて新たに作成します。

また、M&Aアドバイザーは、公認会計士、弁護士、税理士などからの専門的な質問に対する翻訳機能も果たします。

▼以下の記事では、デューデリジェンスについて解説しています。

最終条件の合意

M&Aアドバイザーは、「デューデリジェンスの結果を踏まえた、譲渡企業からの最終的な条件提示」と、「譲渡人が基本的な条件として事前に合意した条件」との調整を図ります。事前に合意した条件との違いがある場合には、双方に対して、条件合意に必要な提案をおこない、友好的な歩み寄りを促します。全ての条件が合意に至った場合は、「株式譲渡契約書」などの最終合意書面の草案を作成します。

実行

M&Aアドバイザーは、「株式譲渡契約書」などの最終合意書面で定めた、実行までに対応する事項(例えば、「取引先への取引継続の意思確認」など。)の履行支援をおこない、実行当日については、重要物品(「株式」など。)の引き渡しと、代金決済等の手続きを支援し、従業員、取引先などの関係者への説明の支援をおこないます。

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M&Aアドバイザーの種類(仲介・FA)

M&Aアドバイザーには、売り手と買い手の双方の間に入る「仲介」と、いずれかの片側だけに付く「ファイナンシャルアドバイザー(FA)」という2つの形式があります。

「仲介」の場合は、売り手と買い手の双方に、同じM&Aアドバイザーが付いて、それぞれの希望条件の調整をおこないます。

「ファイナンシャルアドバイザー」の場合は、売り手と買い手それぞれにM&Aアドバイザーが付いて、それぞれの立場での主張をおこないます。

M&Aアドバイザーを選ぶポイント

M&Aアドバイザーを選ぶポイントは、所属している会社の信用力(規模、業績、M&Aの成約実績など)も重要ですが、実務では、担当するM&Aアドバイザーの個人の能力(知識、経験、実績など)の方が重要となるシーンが多く発生します。

とはいえ、個人商店に近い、小規模のM&A会社の場合には、その人(個人)に委ねることになるため、違う心配も発生します。

その為、一概には言えませんが、M&Aアドバイザーの人数がそれなりに多いM&A会社に所属している経験値とコミュニケーション能力の高い、M&Aアドバイザーと面談し、選ぶことをお勧めします。

また、手数料の確認も重要です。統一したルールが無いため、顧問料のように契約期間に応じて発生する手数料もあれば、着手金、中間金、成功報酬などの一定条件の成立により発生する手数料など、各社様々な状態です。

成功報酬においては、最低金額の設定条件や、株式譲渡の場合であっても負債の金額も含めて計算するなど、この点についても各社様々です。「一概に安い方がいい。」という訳ではないですが、最適なM&Aの実現が最大の目的であっても、伴う支出も重要です。

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▼以下の記事では、M&A仲介会社の手数料の比較をしております。

【成約事例紹介】M&A・事業承継の体験談インタビュー

M&A成功事例として、M&A・事業承継の体験談インタビューをご紹介いたします。コーポレート・アドバイザーズM&Aを介してM&Aを実行された元オーナー経営者様に、M&A検討の経緯、M&Aを決断した理由、これからM&Aを検討されるオーナー経営者様へのメッセージ等をお聞きしました。

M&Aを活用した“警備事業におけるDX領域への本格進出”

2020年12月、「1973年設立の伝統的な警備会社」と「リスク検知のデジタルテクノロジー会社」という業界の異なる両社間による戦略的なM&Aが行なわれました。このたびのM&Aの実現は、警備事業におけるDX領域への本格進出が可能となるものであり、今後の警備業界におけるDX化の起爆剤になり得るものと注目が集まっています。

株式会社アサヒ安全業務社(以下、「アサヒ安全業務社」)は1973年に設立。鉄道関連工事での列車監視業務を中心に雑踏、交通誘導、常駐保安警備などを提供しています。鈴木社長は2009年に4代目として社長に就任し、社内改革、業容拡大を推進してきました。警備業界のなかでもデジタル化が進んでいないといわれる2号警備の領域にデジタルテクノロジーを融合させたい、という株式会社エルテス(以下、「エルテス」)の構想に共感し、ともに挑戦をすることを決断したM&A。

本インタビューでは、いかにしてその決断にいたったのか。幹部メンバーの反応はどうだったのか。M&Aを通じて何を実現させたいのか。アサヒ安全業務社の鈴木社長とエルテスの菅原社長にご登場いただきお話を伺いました。
株式会社エルテス 代表取締役 菅原貴弘氏 / 株式会社アサヒ安全業務社 代表取締役 鈴木一法氏(※会社名・役職はインタビュー当時のものです)

>>『M&Aを活用した“警備事業におけるDX領域への本格進出”』続きを読む

経営への想いを重視した事業承継

日本マンション協会は、一級建築士など多数の技術者を擁し特定建築物調査・建築設備防火設備検査など、ビルやマンションの調査・検査に特化した専門団体です。

マンション管理のために、また職員の雇用のためにという想いの元、創業者である小木曽忠孝氏によって平成15年に設立。事業承継という経営課題を解決するためにM&Aを選択。検討に至る背景を伺いました。

一般社団法人日本マンション協会 創業者 小木曽 忠孝 氏

>>経営への想いを重視した事業承継の続きはこちら

訪問介護・訪問看護会社の『最良のタイミングで会社を引き継ぐM&A』

東京都世田谷区を中心に22事業所をかまえる訪問介護・訪問看護会社。財務内容はきわめて健全であり、毎期高い利益率を維持し続けている優良企業。IPOも視野に入れていた創業オーナーであったが、55歳という年齢で全株式を売却するというアーリーリタイアを決断しました。

本インタビューは、前オーナー社長である荒井様に対し、M&Aの検討から決断に至るまでの経緯について伺いました。

株式会社さくらケア、株式会社うめケア 前代表取締役 荒井 信雄 様

>>訪問介護・訪問看護会社の創業経営者が語る!『最良のタイミングで会社を引き継ぐM&A』の続きはこちら

無料で企業価値シミュレーションができます

納得感のある価格・条件で事業承継・M&Aを実施するためには、客観的な企業価値の把握が第一歩です。決算書等をご提出いただければ、20年で2000件以上のM&A支援実績を持つコーポレート・アドバイザーズが無料で企業価値シミュレーションを実施いたします。

木下正康
監修者:木下正康
株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A 企業提携第二部 部長
銀行の戦略部門にてM&A業務に従事し、その後、大手M&A仲介会社にて、M&Aのアドバイザー業務に従事。 当社入社後は、会計事務所のネットワークを活かしたM&Aアドバイザーとして、初期的な相談・戦略策定などのソーシングから、実行に至るまでのエグゼキューションのみならず、M&A実行後の各種支援にも対応。 調剤薬局、介護、医療法人(病院・クリニック)等の領域について数多の支援実績をもつ。
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会社概要

日本クレアス税理士法人|コーポレート・アドバイザーズ グループでは、20年間にわたり2000件以上の会社売却・M&A支援を行っています。

よくわかるM&Aでは、会社売却・M&Aの基礎知識やフェーズごとのM&A成功ポイント・留意点を解説しています。

毎月、オンラインの無料セミナー開催しております。会社売却・M&Aの検討を始めたばかりの方もお気軽にお問合せください。

■グループ企業一覧

日本クレアス税理士法人
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弁護士法人日本クレアス法律事務所
株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング
株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A
株式会社結い財産サポート
日本クレアス行政書士法人

■事業内容

会計・税務
M&A(仲介・コンサルティング)
FAS(株価算定/財務調査/企業再編)
人事労務 / 給与計算
相続・事業承継
企業法務・法律顧問
IFRS(国際財務報告基準)・決算開示(ディスクローズ)支援
内部統制(J-SOX)・内部監査
海外現地法人サポート
非上場株式売却コンサルティング(非上場株式サポートセンター

■社員数

315名(グループ全体 / 2022年9月現在)
税理士(試験合格者含む)41名
公認会計士(試験合格者含む)15名
特定社会保険労務士1名
社会保険労務士(試験合格者含む)12名
弁護士 2名
相続診断士42名
行政書士4名

■関与先

法人 2,101社(うち上場企業70社)
社会福祉法人 131件
クリニック・医療法人・介護福祉等 539件
個人 2,265名
合計 5,036件

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