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ミニ保険(少額短期保険)業の売却・M&A動向2023
監修者:伏江 亜矢(株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A 企業提携第三部 部長)

ミニ保険(少額短期保険)への新規参入やM&A事例が増えています。本記事ではミニ保険(少額短期保険)の概要やM&A事例等について実務に精通する専門家が解説します。

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ミニ保険(少額短期保険)業の動向

少額短期保険業とは

一般社団法人日本少額短期保険協会HPによると、「少額短期保険業」とは、保険業のうち一定の事業規模の範囲内において、保険金額が少額、保険期間1年(第二分野については2年)以内の保険で保障性商品の引受のみを行う事業をいいます。[1]

保険金額が小さいことから一般的にミニ保険ともいわれています。

少額短期保険(ミニ保険)の例としては、葬儀費用を補償する「葬儀保険」やペットがケガや病気のときに補償が受けられる「ペット保険」などが挙げられます。

無認可共済事業者から少額短期保険業者へ

2006年4月1日に改正保険業法が施行され、「少額短期保険業制度」が導入されました。これにより、それまで根拠法がないままに共済事業を運営していた、いわゆる「無認可共済事業者」は、損害保険会社となるか、少額短期保険業者として金融庁に登録するなど、規制が強化されました。これは、それまで法律や主務官庁による規制・監督を受けることのなかった無認可共済事業者にも、保険業法に基づく規制と金融庁による監督を受けさせることにより契約者保護を図ったものです。[2]

少額短期保険業に係る保険金額

少額短期保険業では、次のとおり保険の区分に応じて1被保険者について引受ける保険金額の上限が設けられています。なお、1~6の保険の保険金額の合計額は1,000万円が上限となります。[1]

1.死亡保険300万円以下
2.医療保険(傷害疾病保険)80万円以下
3.疾病等を原因とする重度障害保険300万円以下
4.傷害を原因とする特定重度障害保険 (※1)600万円以下
5.傷害死亡保険傷害死亡保険は、300万円以下
(調整規定付き傷害死亡保険の場合は、600万円)
6.損害保険1,000万円以下
7.低発生率保険(※2)1,000万円以下

※1 傷害を原因とする特定重度障害保険の保険金額について
死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険が同時に付保されている場合には、特定重度障害保険の支払額から死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険の支払額を減額されるものに限ります。

※2 低発生率保険について
低発生率保険とは、損害保険のうち、特に保険事故の発生率が低いと見込まれるものであり、個人の日常生活に伴う損害賠償責任を対象する保険(自動車の運行に係るものを除く)をいいます。

金融庁HPによると令和5年8月1日現在で少額短期保険業者は118社となっています。[2]

[1] 一般社団法人日本少額短期保険協会 少額短期保険業とは

[2]一般社団法人日本損害保険協会>Ⅰ. 損害保険について 質問 少額短期保険業者とは?

[3]金融庁 少額短期保険業者

少額短期保険業のM&A(売却・買収)を行うメリット

保険代理店のM&Aを行うメリットに関して、売り手企業と買い手企業それぞれの視点で解説します。

少額短期保険業を売却するメリット

◆大手保険会社または保険代理店への傘下入りにより、取引先の拡大や財務基盤の安定化、営業力の強化などを見込める

◆後継者不在の企業でも事業承継を行い、売却益の確保や従業員の雇用維持などを実現できる

◆DXにより、生産性の改善や顧客ニーズに合う事業の展開が可能となる

◆買い手企業との相互送客や経営資源の相互活用によって、売上や利益の増大を見込める

少額短期保険業を買収するメリット

◆市場規模やスケールメリットの拡大により競争力を強化できる

◆未進出のエリア・事業領域への進出を果たせる

◆経験豊富な保険募集人を確保できる

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少額短期保険業の売却スキーム

少額短期保険業の売却・M&Aの主なスキームとしては、株式譲渡、事業譲渡、吸収合併があります。

株式譲渡

株式譲渡は、その名のとおり、売り手が所有する譲渡対象会社の株式を買い手に譲渡するスキームです。株式譲渡では、譲渡対象会社の株主が交代し、会社がそのまま買い手に譲渡されます。

株式の売買という形式をとるため、事業譲渡や会社分割等の他のスキームに比べて手続が簡便で、従業員や取引先もそのまま移転するため、事業に与える影響が少ないのが特徴です。

事業譲渡(商圏譲渡)

事業譲渡は、譲渡対象会社の事業の全部または一部を買い手に譲渡するスキームです。譲渡の対象は会社そのものではなく事業であるため、会社そのものは売り手側に残ります。そのため、売り手は引き続き会社の運営を続けることも可能です。

また、株式譲渡とは異なり、株主の一部がM&Aに反対していたとしても、株主総会の特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成による可決)が可決されれば、事業譲渡は実行できます。

保険代理店のM&Aには、事業譲渡(商権譲渡)がよく使われています。売買の対象は基本的に保険代理店業務の営業権となります。

事業譲渡(商権譲渡)の利用は副業型の保険代理店に多く見られます。複数の事業を行っており、本業に専念したいなどの悩みを抱えている企業が、事業譲渡(商権譲渡)のスキームを選択しています。

吸収合併

合併とは、 2つ以上の企業が1つの企業になる手法です。 独立した企業同士で行われるケースや、グループ内の再編としてグループ内企業で行われるケースがあります。合併はM&Aの手法としてはもっとも結合力が強い反面、第三者とのM&Aにおいて、はじめから合併を行うのは少ないのが実情です。合併を行うにしても、いったん株式譲渡を実行し、買い手企業の100%子会社とした後、時期をみて合併を行うという場合が多いです。

吸収合併とは合併の一種で、一方の法人格のみを残し、他方の法人格を消滅のうえ、合併により消滅する会社の権利義務の全部を、合併後存続する会社に承継させる手法です。

一方、新設合併とは合併の一種で、すべての法人格を消滅させた上で、新たに設立する会社に権利義務を承継させる手法です。実務上ほとんどのケースにおいて、吸収合併が選択されています。

関連記事:吸収合併とは?買収との違い・メリット・手続き方法を解説

少額短期保険業の売却価格の相場

少額短期保険業の売却を検討する際に、「どのくらいの価格で売却できるのか?」は気になる点かと思います。売却価格の目安を知るためには、相場の理解が役に立ちます。この章では、少額短期保険業の売却価格に関する相場の簡易的な算出方法、売却価格の決め方をわかりやすく解説します。

年倍法による算出方法(中小の保険代理店の簡易評価方法)

経営者のための事業承継マニュアル(中小企業庁)によると、中小企業のM&Aでは、時価純資産にのれん代(年間利益の数年分)を足し合わせた金額を売却価格の相場とするという考え方があります。なお、この算出方法は「年倍法(年買法)」と呼ばれており、保険代理店の売却価格相場を簡易的に求める際にも役立ちます。足し合わせるのれん代は、2〜5年分とすることが一般的です。

 ◆売却価格の相場 = 時価純資産 + 営業利益 × 2〜5年分

たとえば時価純資産が7,000万円、各年の営業利益が3,000万円の保険代理店について、3年分の営業利益をのれん代とした場合の売却価格相場は以下のとおり算出できます。

 ◆売却価格の相場 = 7,000万円+ 3,000万円 × 3 = 1億6,000万円

最終的な売却価格の決め方

最終的な売却価格は、市場の状況や事業の成長性などを基準に企業価値や株主価値を算出し、その結果をもとに買い手企業との交渉によって決定します。

企業価値・株主価値とは

企業価値とは、投資家に対する企業全体の価値を表し、「株主価値+負債価値(債権者価値)」で計算できます。一方で株主価値は、企業価値のうち株主に帰属する価値であり、株主に帰属するキャッシュフローの現在価値を合計したものとなります。

企業価値・株主価値の評価方法

企業価値や株主価値を評価するM&Aのプロセスは「バリュエーション」と呼ばれます。バリュエーションの方法は、「インカムアプローチ」、「コストアプローチ」、「マーケットアプローチ」の3種類に大別され、それぞれの特徴やメリット・デメリットは以下のとおり異なります。

 インカムアプローチコストアプローチマーケットアプローチ
特徴将来の収益性を基準とする過去の蓄積である貸借対照表の純資産を基準とする市場取引の視点である過去のM&A事例や類似業種などを基準とする
主な手法○DCF法
○配当還元法
○残余利益法
○時価純資産法
○簿価純資産法
○類似会社比較法(マルチプル法)
○類似取引比較法
○市場株価法
メリット○将来的な収益性を反映できる
○各社に固有の性質を反映できる
○客観性の高い評価を行える
○評価を比較的容易に行える
○客観性の高い評価を行える
○市場の状況を反映できる
デメリット○主観や恣意によって評価が影響される○将来的な収益性を反映できない
○市場の取引状況を反映できない
○短期的な市場の変動に左右される
○各社に固有の性質を反映しにくい

上記3種類の評価方法を把握し、自社や買い手企業、市場の状況などを踏まえた上で使い分けることが重要となります。また、複数の手法を併用し、より合理性のある評価を行うのも効果的です。

関連記事:会社売却の価格相場は?会社を高く売る方法・交渉術をわかりやすく解説

株価評価結果は参考程度に

前述したとおり、最終的な売却価格は買い手企業との交渉によって決定されます。実際のM&Aでは、複数の買い手から提示を受けた結果が現時点における自社の評価となります。そのため、バリュエーションの結果にこだわりすぎないことが大事になります。

買い手企業が自社の有する経営資源(資格を保有するスタッフの存在や技術力など)を高く評価してくれれば、バリュエーションの結果よりも高い金額で売却できる可能性があります。一方で、自社の希望金額よりも買い手企業によるバリュエーションの評価額が低かったり、バリュエーションの結果よりも買い手企業の希望買収額が低かったりする場合もあります。

たとえば、「自社の希望金額と買い手企業による評価額の間にギャップがあるものの、できるだけ早く会社を売却したい」という場合には、別のM&Aスキームを検討したり、希望金額に近い提案を行う買い手候補を探したりする、などの選択肢が考えられます。

また、会社の売却までに時間的な余裕がある場合は、数年かけて企業価値を高める選択肢もとれます。企業価値を高める場合には、プレデューデリジェンス(プレDD)を実施するのがおすすめです。

プレDDとは、M&Aや買い手企業による本格的なデューデリジェンスに先立って、売り手企業の財務状況や収益性、成長性などを分析するプロセスです。プレDDの実施により、M&Aに関係するリスク項目や企業価値を高める上で必要となる要素などを洗い出すことが可能です。

関連記事:プレDDとは |企業価値を高めて会社売却をするための事前準備

少額短期保険業を売却する際の留意点

少額短期保険業の売却にあたっては以下点に留意すべきです。

保険契約が引き継げるか(保険会社への確認)

少額短期保険業の売却価格は、少額短期保険の契約に関する過去の業績や将来の見通しなどを考慮して算出されます。そのため、保険契約をスムーズに引き継げることが重要ポイントになります。保険代理店の売却に際しては、販売委託契約をしている保険会社に対して、契約の移管が可能かを事前に確認する必要があります。なお、保険会社が保険代理店から販売委託契約の買い上げを求めてくる場合もあります。

保険販売員の継続雇用は可能か

M&Aにおいては、買い手企業が売り手企業の経営権を握るため、従来における保険代理店の社風、働き方、報酬などが変わる可能性が大きいです。保険代理店においては、保険販売員のモチベーションが売上に大きな影響を与えるため、採用するM&A手法が、雇用契約をそのまま引き継げる「株式譲渡」や「吸収合併」であっても、保険販売員の継続雇用は可能かどうかに留意しながら売却交渉・手続きを進める必要があります。

顧客情報の取り扱い

少額短期保険業が保有する顧客情報は、プライバシーの観点からも慎重に扱われる必要があります。売却交渉・手続きに際しては、顧客情報の引き継ぎや取り扱い方法などに留意しながら進めることが重要です。

法改正などによる保険商品のニーズの変化

前述の通り、保険商品や関連する税務の法改正等は、保険代理店の管理体制や販売可能な保険商品のニーズに大きな影響を与えます。これらの変更が自社の業績にどのような影響があるのかを踏まえて、売却交渉を行う必要があります。

良い相手に高く売却するための交渉術

買い手企業との交渉時には、以下3つの交渉術が役に立ちます。

複数の買い手候補と交渉する

売り手企業がまったく同じでも、買い手候補によってバリュエーションの結果は異なることが一般的です。

たとえば、保険販売員を多く有する会社が売り手の場合、人材獲得を目的とする買い手候補である方が、そうでない買い手候補と比べて高く評価する可能性が高いです。また、会社の買収に対する緊急度が高い買い手候補であるほど、ある程度は高い金額でも売却できる可能性があります。

したがって、複数の買い手候補と交渉することが、高く会社を売却するコツとなります。また、複数の買い手候補と交渉することで、オークションのように買い手候補間で条件面の競争を促せる場合もあります。

経営課題をしっかり伝える

強みだけでなく、現時点の経営課題をしっかり伝えることも重要です。経営課題を正直に伝えることで、買い手企業から良い印象を持ってもらえる可能性があるためです。また、買収後に何をすべきかが明確となるため、PMI(経営統合)も計画的に行えます。

少額短期保険業の現状に詳しい専門家のサポートを受ける

会社を高く売却するには、バリュエーションの際には決算書の数値のほか、顧客層や従業員などの価値を正しく評価する必要があります。それらの価値を見極めるには、保険代理店に関して詳細な知見を有していることが求められます。また、シナジーを最大限生み出せる買い手企業を見つけることも、取引価額を高く売却する上では重要な要素であり、そのためにも保険代理店業界の知見が重要となります。

つまり、少額短期保険業に詳しいM&A専門家のサポートを受けることで、自社の強みを実態に即して高く評価してもらえたり、シナジー効果を見込める買い手候補とマッチングしてもらえたりするため、結果的に高い価格で売却できる可能性が高まるのです。

また、M&Aのプロセスでは、契約書の作成やバリュエーション、デューデリジェンスなど、ファイナンスや法務などの専門知識を要する実務がたくさんあるため、専門家の協力を得ずに進めることは困難です。

そのため、会社を高い価格で売る目的だけでなく、M&Aを円滑に進める目的でも、専門家によるサポートは非常に重要になると考えられます。

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少額短期保険業の最新M&A事例(2019年~2023年)

【介護・保育】テノHDがセーフティージャパン・リスクマネジメントの全株式を取得

譲渡企業の概要

セーフティージャパン・リスクマネジメント:少額短期保険商品の開発・販売

譲受企業の概要

テノ.ホールディングス:保育所運営、保育人材の派遣紹介、介護サービス、結婚相談所等

M&Aの目的・背景

テノHDの経営理念である「私たちは、女性のライフステージを応援します。」という考えに即し、結婚、出産、育児、介護という様々なライフステージに応じて必要とされる保険商品の共同開発・販売をすることを目指す。

M&Aの手法・価格

テノ.ホールディングスは2022年9月30日開催の取締役会にて、セーフティージャパン・リスクマネジメントの全株式を取得し、関係当局の承認を前提として、子会社化することについて決議しました。

譲渡価額は4億5500万円です。[4]

【損害保険】アイペットHD子会社のアイペット損害保険がペットファースト少額短期保険を吸収合併

譲渡企業の概要

アイペット損害保険:損害保険事業

譲受企業の概要

ペットファースト少額短期保険:少額短期保険業

M&Aの目的・背景

アイペットHDは成長性の高い損害保険事業へ資源を集約し、経営の効率化および経営基盤の強化を図り、本件M&Aは行われました。

M&Aの手法・価格

アイペット損害保険は2022年7月28日開催の取締役会において、関係当局の認可等を受けることを前提として、子会社のペッツファースト少額短期保険を吸収合併することを決議し、合併契約を締結しました。[5]

【保険代理店】アスモ子会社の少額短期保険事業会社をNFCホールディングスへ売却

譲渡企業の概要

アスモ:高齢者介護施設等における給食の提供を行う「アスモフードサービス事業」と、訪問、居宅介護事業所の運営、有料老人ホームの運営を行う「アスモ介護サービス事業」を中核事業としています。食肉の輸入などその他事業を行っています。

アスモ少額短期保険:アスモの連結子会社。少額短期保険商品の販売を行う。

譲受企業の概要

NFCホールディングス:保険代理店関連事業[6]

M&Aの目的・背景

アスモはグループ中核事業への経営資源集中の強化のため、本件M&Aを行いました。

M&Aの手法・価格

アスモは2021年12月28日開催の取締役会において、連結子会社であるアスモ少額短期保険のアスモが所有する全株式についてNFC ホールディングスに譲渡することを決議し、NFC ホールディングスと本件株式譲渡に係る株式譲渡契約を締結しました。

本件M&Aの取引価額は非公開です。[7]

【保険代理店】NHSインシュアランスグループによる朝日生命への会社売却

譲渡企業の概要

NHSインシュアランスグループ:保険代理店事業の運営の株式会社NHS、株式会社創企社、株式会社FEA、ライフナビパートナーズ株式会社の持株会社

譲受企業の概要

朝日生命:生命保険の販売・引受け事業、資産運用事業[8]

M&Aの目的・背景

Withコロナ・Afterコロナの営業スタイルを構築するため、非対面の営業ノウハウを有する企業を買収しました。

M&Aの手法・価格

2021年1月にNHSインシュランスグループの全株式を朝日生命へ売却しました。会社売却の金額は非公表です。[9]

【保険代理店】信和実業はトータル保険サービスへ保険代理店事業の譲渡

譲渡企業の概要

信和実業:不動産事業、保険代理店事業。東証一部上場の白洋舎の子会社。

譲受企業の概要

トータル保険サービス:多種多様な商品(がん保険、医療保険、自動車保険等)を取り扱う総合保険代理店。[10]

M&Aの目的・背景

信和実業における事業の選択と集中と、経営の効率改善のため、本件M&Aは行われました。

M&Aの手法・価格

白洋舎は2020年9月23日開催の取締役会において、連結子会社である信和実業株式会社の保険代理店事業について、事業譲渡契約を締結することを決議。譲渡価額は2億2,000万円です。[11]

【銀行グループ】ファイナンシャルジャパンは新生銀行の子会社へ

譲渡企業の概要

ファイナンシャルジャパン:訪問型の保険乗合代理店。

譲受企業の概要

新生銀行:リテールバンキング(個人・事業主向け預金・貸し出し等)、コンシューマーファイナンス(クレジットカードや個人向けローン等)、法人向け事業(企業再生や融資など)を行う。

M&Aの目的・背景

ファイナンシャルジャパン:新生銀行のネットワークを活用した提携先拡大や、銀行店舗を活用したライフプランニングの実施

新生銀行:個人向け保険ビジネスを強化のため、販売チャネルの拡大および構築を目指しています。[12]

M&Aの手法・価格

2019年5月にファイナンシャル・ジャパンの全株式を新生銀行グループへ売却しました(株式譲渡)。会社売却の金額は非公開です。[13][14]

【保険代理店】幸楽苑ホールディングスの子会社がヒューリック保険サービスへ保険代理店事業の売却

譲渡企業の概要

幸楽苑ホールディングス:飲食店の運営・管理
デン・ホケン:幸楽苑ホールディングスの子会社。保険代理店事業。

譲受企業の概要

ヒューリック保険サービス:損害保険代理業や生命保険の募集業務[15]

M&Aの目的・背景

幸楽苑ホールディングスは事業の選択と集中のため、子会社が運営する保険代理店事業を売却しました。

M&Aの手法・価格

幸楽苑ホールディングスは2018年7月27日開催の取締役会にて、連結子会社の株式会社デン・ホケンの有する事業をヒューリック保険サービスへの譲渡と2018年12月1日を効力発生日として、株式会社デン・ホケン(消滅会社とする)を吸収合併することを決議しました。運営する保険代理店事業を売却しました。

事業売却の金額はおよそ1億5,500万円です。[16]

まとめ

本記事では、少額短期保険業の売却を検討されている方向けに売却・買収するメリット、売却価格の相場、M&A事例について解説しました。

少額短期保険業の売却を円滑に進めるためには、事前準備の段階から本業界のM&Aに詳しい専門家によるサポートを受けることが近道です。ぜひお気軽にご相談下さい。

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伏江亜矢
監修者:伏江亜矢
株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A 企業提携第三部 部長
金融機関で法人営業を担当後、2012年にコーポレート・アドバイザーズ入社。M&Aの事前準備から、候補先のソーシング、企業価値評価、条件交渉、クロージングまで一気通貫した支援を行っている。 ヘルスケア・ライフサイエンス(医療・介護・メーカー・卸商社)、IT・ソフトウエア(Webサービス、システム開発)、人材サービス(派遣、警備、ビルメンテナンス)などのM&A支援経験が豊富。 M&A成功のために必要な情報をわかりやすく解説するコラムサイト「よくわかるM&A」の運営責任者。
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■社員数
417名(グループ全体 / 2023年10月現在)
税理士(試験合格者含む)56名
公認会計士(試験合格者含む)15名
特定社会保険労務士2名
社会保険労務士(試験合格者含む)12名
弁護士 2名
相続診断士41名
中小企業診断士1名
行政書士4名

■関与先
法人 3,240社(うち上場企業85社)
社会福祉法人 133件
クリニック・医療法人・介護福祉等 593件
個人 4,015名
合計 7,981件

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