監修者:伏江 亜矢(株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A 企業提携第三部 部長) |
中小企業庁は28日、2023年版中小企業白書・小規模企業白書を取りまとめ、公表しました。本記事ではその概要と事業承継・M&Aに関わる部分について解説します。また事業承継・M&Aの事例も紹介します。
2023年版中小企業白書・小規模企業白書のポイント
中小企業・小規模事業者は、足下の新型コロナや物価高騰、深刻な人手不足など、引き続き厳しい状況が続いています。こうした時代を乗り越えるため、「2023年版中小企業白書・小規模企業白書」では、価格転嫁に加えて、GXといった構造変化も新たな挑戦の機会と捉えた投資の拡大等に取り組み、生産性向上や賃上げを促進していくことの重要性について記載しています。
参考:中小企業庁「2023年版中小企業白書・小規模企業白書」
成長に向けた価値創出の実現|新たな担い手の創出
・企業の中長期的な成長に向けて、競合他社と異なる価値を創出するための「戦略」と構想と実行の核である「経営者」に着目。
①競合他社と異なる価値を創出するための「戦略」 競合他社と異なる価値創出のあり方を反映した戦略の構想や実行を通じて差別化を図る |
②構想と実行の核である「経営者」 ・企業の戦略構想・実行力を支え、成長を促す外部プレーヤーの存在が重要 ・経営者仲間との積極的な交流を通じ、企業の成長意欲を喚起していくことも重要 |
・価値創出のための戦略を実現するためには、経営者を支える内部資源(リソース)・体制の充実も 重要な要素であり、人材戦略の策定やエクイティ・ファイナンスの活用に向けたガバナンスの構築や強化は、こうした戦略実現に資する人材や資金の獲得を促す手段となる。
・事業承継・M&Aは、経営資源の散逸を防ぐとともに、経営者の世代交代を通じた企業変革の好機であり、若い後継者ほど、新しい商品・サービスの提供といった事業再構築に取り組んでいる。
小規模事業者における地域課題の解決
・地域の社会課題解決に事業の一環で取り組む事業者は今後も増加が予想される。
・事業の社会的意義(ソーシャルインパクト)の検討・提示や複数地域への展開は、収支の確保や円滑な資金調達の観点から重要。
・事業者と自治体のそれぞれの課題解決に向けて、両者をつなぐ組織・団体は、重要な役割を果たす。
中小企業・小規模事業者の共通基盤
・中小企業・小規模事業者の取引適正化に向けては、「価格交渉促進月間」の実施とその結果を踏まえた情報の公表や親事業者の経営陣に対する指導・助言等の実施が必要。
・中小企業のデジタル化に向けては、経営者の積極的な関与にとどまらず、ビジョン・目標の設定や業務の棚卸しなどを戦略的に実施している企業ほど進展。
・必ずしも高度なスキルを持つデジタル人材がいなくても、デジタル化を進展させることは可能。
・中小企業支援機関については支援実績等の見える化を進め、支援機関同士の連携・切磋琢磨を促すことが重要。
事業承継・M&Aの最近の傾向
2023年版中小企業白書・小規模企業白書では、成長に向けた価値創出の実現の章において、以下のような統計・アンケート結果を紹介しています。
事業承継の進行状況|事業承継を契機とした事業再構築への取り組み
①2000年以降と比較して足下では経営者の高齢化が進む一方、直近2年間では高齢の経営者の割合が低下。事業承継が一定程度進んでいる可能性。 ②事業承継は経営資源の散逸を防ぐとともに、経営者の世代交代により、企業を変革する好機でもある。事業承継時の経営者年齢が若い企業においては、企業の成長に寄与する事業再構築に取り組んでいる。 |
事業再構築の取り組みと後継者の意思決定・従業員からの信任の可否
①事業再構築の取組みなど後継者の新しい挑戦を促す上で、先代経営者は後継者に経営を任せることが重要。 ②従業員から信認を得ることで承継後の事業再構築の取組が成長を促す。 |
M&Aの件数推移とM&Aを通じて成長や新規分野進出を実現している事例
①M&Aは価値創出に向けた戦略実現のための手段であり、件数は近年増加傾向。 中小企業においてもM&Aが広まりつつある。 ②M&Aは成長や新しい事業分野への進出につながる有効な手段。 |
M&Aの障壁|PMIの早期取り組みの効果
①M&Aにおいて、買い手の立場としては「相手先従業員等からの理解を得られるか不安がある」ことが大きな障壁。組織・文化の融合といった経営統合(PMI)に取り組むことが重要。 ②企業の成長のきっかけとなるM&A。早期にPMIの検討をし始めた企業ほどM&Aで期待以上の成果を実感。 |
「2023年版中小企業白書・小規模企業白書」では、以上のように事業承継・M&Aの最新動向について紹介されています。
中小企業にとって、M&Aは事業承継の手段としてだけではなく、価値創出に向けた戦略実現のための手段としても注目されており、その件数は近年増加傾向にあります。
PMI(M&A後の統合プロセス)について早期に着手すること、従業員の信任を得ること、意思決定を含め後継者に早期に託すこと、といったポイントを踏まえて対応することにより、事業承継・M&Aの成功確率が高まると言えそうです。
M&A(エムアンドエー)とは
M&Aとは、英語のMergers(合併)and Acquisitions(買収)を省略した言葉ですが、日本においては、会社法の定める組織再編(合併や会社分割)に加え、株式譲渡や事業譲渡を含む、各種手法による事業の引継ぎ(譲渡・譲受け)をいいます。
参考:中小企業庁「中小PMIガイドライン~中小M&Aを成功に導くために~
一般的には、売り手側からみたM&Aの目的は、他社に引き継ぐ(売却する)ことにより、会社や事業を存続・発展させることです。一方、買い手側からみたM&Aの目的は、他社を譲り受ける(買収する)ことで、事業・市場シェアの拡大や周辺事業への展開をすることです。
売り手・買い手の双方がM&Aの目的を実現するためには、相性が良くシナジー(相乗効果)を発揮できる相手先を選定し、適切な価格でM&Aを実施することが重要なポイントの一つです。
M&Aの目的・メリット
東京商工リサーチが中小企業に対し行った「中小企業の財務・経営及び事業承継に関するアンケート」(調査日: 2020年11~12月)によると、買い手がM&Aを検討したきっかけや目的は、「売上・市場シェアの拡大」が最も高く、次いで「新事業展開・異業種への参入」となっています。買い手は他社の経営資源を活用して企業規模拡大や事業多角化を目指している様子がうかがえます。また「人材の獲得」や「技術・ノウハウの獲得」なども上位となっています。
一方、売り手がM&Aを検討したきっかけや目的は、「従業員の雇用の維持」や「後継者不在」といった事業承継に関連した目的の割合が高い一方、「事業の成長・発展」も48.3%と高く、売り手の約半数の企業は、成長のためにM&Aを検討していることがわかります。
売り手からみたM&Aの目的・メリット
前述の調査結果を踏まえると、売り手は「事業承継」「事業成長」「事業改革」を目的としてM&Aを実施しており、売り手が期待しているメリットは以下のようなものが挙げられます。
事業の成長と発展
M&Aにより、売り手と買い手が、双方の強み・弱みを補完し、売上向上やコスト削減等のシナジー(相乗効果)を発揮することで、事業の成長と発展が期待できます。
後継者問題の解決
売り手の経営陣が高齢化や後継者問題に直面している場合、買い手の経営陣が後継者として就任することにより、企業の存続を図ることができます。なお、引継ぎのタイミングとしては、株式譲渡と同時のケースのほか、株式譲渡後、数年間の引継ぎ期間を経て代表者を交代するケースの2パターンがあります。
従業員の雇用継続
売り手は、M&Aにより会社や事業を維持・発展させることにより、従業員の雇用を継続させることができます。
関連記事:廃業かM&Aか?メリット・デメリット、手続き、税金を比較解説
個人保証(経営者保証)の解除
多くの中小企業では経営者が個人保証を行い、金融機関から融資を受けているケースが多く見られます。M&Aでは買い手による融資の肩代わり、もしくは保証そのものを引き受ける形で個人保証(経営者保証)の解除が可能になります。
創業者利益の確保
未上場株式は換金が難しい一方、相続時に相続税が課税されるため、多くの未上場企業において相続税の資金準備が課題になっています。株式譲渡という手法でM&Aを行うことにより、株式を保有するオーナーが譲渡対価として現金化することができます。最近では、50代で株式譲渡を行い、その後、新たな事業を始める、余裕あるセカンドライフを送るという事例も増えています。
事業の再生
連続赤字や債務超過などの状況下において、M&Aを活用し、スポンサー企業の下で事業の再建を目指します。
ノンコア事業売却による事業改革本
本業に経営資源を集中させるため、ノンコア事業(本業ではない事業)や赤字事業を売却する事例も見受けられます。
以上のように売り手からみたM&Aの目的やメリットは多岐にわたっており、M&Aは売り手にとって企業の存続や発展にとって重要な手段の1つです。
買い手からみたM&Aの目的・メリット
基本的に買い手はシナジー(相乗効果)を期待してM&Aを実施します。具体的には以下のようなM&Aの目的・メリットが挙げられます。
売上シナジー
販売チャネル、営業ノウハウ、ブランド力や知名度、開発力、シェア向上による価格支配力の獲得を目指します。
コストシナジー
仕入れコスト、販売コスト、物流コスト、製造コスト等の削減を目指します。
人材の確保
M&Aにより、買い手は売り手から人材を確保することができます。売り手が持つ人材を自社に取り入れることにより、自社の人材開発や人材確保につながります。
リスク分散・財務力強化
M&Aにより多角化を行うことで外部環境の急速な変化による経営リスクを分散する効果が期待できます。
M&Aを選択する経営者が増えている理由
中小企業の事業承継の選択肢
中小企業の事業承継の選択肢としては次の4つが挙げられます。
・親族承継 ・社内承継 ・M&Aによる第三者承継 ・IPO(新規上場) |
中小オーナー企業の事業承継の選択肢として、M&A(第三者への承継)は一般的になりつつあります。親族承継では該当者がいない、社内承継ではNo2はいるもののオーナー社長と年齢が近く、かつ営業・開発・技術などすべてを担ってきたオーナー社長の後を継ぐのは難しい、IPOできる企業は限定的(帝国データバンクによると、2022年日本国内IPO企業数は91社、但しTOKYO PRO Marketを除く)というケースが多いためです。
よって、これまで「消去法」で最後の選択肢として考えられがちであったM&Aですが、成功させるためには数年単位の準備期間が必要であるため、親族承継、社内承継、M&Aという順に検討するのではなく3つ同時に、もしくは「M&Aこそ一番初めに検討すべき」と言えます。
買い手側の事情
コロナの長期化によりIT化やDX等の事業構造の転換の必要性が待ったなしの状況です。事業構造の転換のため、規模拡大のための同業の買収のほか、周辺事業や異業種(IT企業など)を買収する事例が増えています。
入札形式がスタンダートになり、投資ファンドも一定の存在感
企業規模・業種によっても異なりますが、M&A市場においては、買い手は多いが売り手は少ない「売り手市場」となっています。入札形式がスタンダートになり、買い手としては事業会社のほか、投資ファンドも一定に存在感を見せています。
良い売り手がM&A市場に出てくる時代
事業承継型M&A(後継者不在のための事業の存続のためのM&A)ではない、成長戦略型M&Aによる「グループイン」という考え方が普及しています。背景としては、人生100年時代の到来があります。60代以降になってから事業承継を行うのではなく、30代・40代・50代などの若い年齢のうちに事業承継を行う「アーリーイグジット」が定着しています。また、買い手側の事情や投資ファンドの台頭により、良い会社を高く買う事例も増えてきています。
売り手も「金額」「条件」に大きな差が付く時代
同じ(又は同じような)業種であっても、売却するタイミング、対象会社のビジネスモデル、成長性、財務、収益性、管理体制のほか、M&A全般の進め方などによって、評価額や売却価額が異なります。よって、売り手はM&Aの相手先探しや条件交渉前の事前準備によって、金額や条件に大きく差がつく時代と言えます。
関連記事:プレDDとは|企業価値を高めて会社売却をするための事前準備
M&A売却・事業承継案件一覧|CREASマッチング
コーポレート・アドバイザーズM&Aが運営する「CREASマッチング」では、譲渡・売却を希望する案件一覧を掲載しています。
機密性の高いM&Aに関する情報を匿名化した情報として掲載しております。より詳細な内容や、Webサイトには掲載していない非公開のM&A案件についての情報をご希望の場合には、ぜひお問い合わせください。
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M&A・事業承継の事例
M&A・事業承継の目的別に事例を紹介します。
・成長戦略型:大手グループ傘下入りによるシナジー効果を見込み、成長を目指す
・事業承継型:後継者不在だが、企業の存続と発展のため第三者に譲渡する
・業界再編型:法改正・市場縮小・競争激化などによる先行き不安
・選択と集中:ノンコア事業切り離しにより、資金を獲得し、コア事業に資金投下する
成長戦略型M&A
ディー・エヌ・エーとアルムのM&A【IT×ICT】
売り手企業の事業内容
アルム:医療・ヘルスケア関連のモバイルICT事業など
買い手企業の事業内容
ディー・エヌ・エー:エンターテインメント領域および社会課題領域を中心としたIT事業を展開
M&Aの実施目的
売り手企業:買い手企業が有する事業企画力などを活かした成長の加速
買い手企業:社会課題領域における収益基盤の強化
M&Aの成約に関する詳細
詳細 | |
スキーム | 第三者割当増資[3]、株式交付 |
実施時期 | 2022年10月[4] |
結果 | 第三者割当増資や株式交付などの手続きを経て、 買い手企業が52.3%の議決権を保有 |
売却金額 | 252億5,200万円[5] |
双日とマリンフーズのM&A【商社×水産加工】
売り手企業の事業内容
マリンフーズ:水産加工食品の製造販売、水産原料の輸入販売
買い手企業の事業内容
双日:総合商社
M&Aの実施目的
売り手企業:買い手企業が有する営業基盤やネットワークの活用による海外展開の強化、ECなどの販売チャネル開拓、親会社による選択と集中[6]
買い手企業:海外展開の強化、加工卸売事業の拡充、商品開発の強化など[7]
M&Aの成約に関する詳細
詳細[6] | |
スキーム | 株式譲渡 |
実施時期 | 2022年3月 |
結果 | マリンフーズ株主が双日に全株式を売却 |
売却金額 | 約265億円 |
リコーとPFUのM&A【製造×製造】
売り手企業の事業内容
PFU:ドキュメントスキャナーなどのハードウェアやドキュメントの電子化を支えるソフトウェアの製造および販売等
買い手企業の事業内容
リコー:OA機器等の製造および販売
M&Aの実施目的
売り手企業:長年培ってきた技術やノウハウを最大限に活かした事業展開の実現[8]
買い手企業:ITマネジメントサービス機能の強化、産業用コンピュータ事業におけるシナジーの創出など[9]
M&Aの成約に関する詳細
詳細[8] | |
スキーム | 株式譲渡 |
実施時期 | 2022年9月[10] |
結果 | PFU株主がリコーに80%の株式を売却 |
売却金額 | 840億円 |
エルテスとアサヒ安全業務社のM&A【ITサービス×警備】
売り手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 警備業(1号、2号、4号) |
譲渡理由 | 成長戦略の一環 |
創業から50年近い業歴を持ち、首都圏において警備会社としての地位を確立してきました。強固な取引基盤をもち、コロナ禍においても安定した業績を維持してきました。事業拡大意欲は旺盛で、成約前は買い手側としても、積極的にM&Aをおこなっていました。
買い手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | デジタルリスクコンサルティング |
買収理由 | リアルとデジタルの融合の実現 |
成長戦略の一環として、積極的にM&Aに取り組んでいる企業。デジタルリスクのコンサルティングを主業としており、警備業界におけるリアルとデジタルの融合を実現させるため、M&Aの仲介会社にファインディングの依頼を行っていました。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
本件は、「1973年設立の伝統的な警備会社」と「リスク検知のデジタルテクノロジー会社」という業界の異なる両社間による戦略的なM&A。売り手企業であるアサヒ安全業務社は、買い手企業のエルテスの依頼に基づく具体的なM&A提案と、買収企業による熱烈なオファーを受けて、当初は譲渡意向はなかったものの、最終的には株式譲渡をご決断しています。
下記インタビューでは、いかにしてその決断にいたったのか。幹部メンバーの反応はどうだったのか。M&Aを通じて何を実現させたいのか。アサヒ安全業務社の鈴木社長とエルテスの菅原社長にご登場いただき、お話を伺っています。
>>M&Aを活用した“警備事業におけるDX領域への本格進出”~「伝統的な警備会社」と「デジタルテクノロジー会社」の融合~を読む
食堂の管理運営受託会社のM&A
売り手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 食堂の管理運営受託事業 |
譲渡理由 | 事業発展のため |
売り手企業は、大手企業の工場内食堂および大学寮食堂の管理運営を受託しています。大手企業の工場新設・拡大に伴い受託管理先を増やして成長を続けてきましたが、工場の海外移転と集約の流れの中で受託管理先が減少、かつ、価格競争の流れの中で採算の良い受託管理先の新規顧客の開拓に苦戦していました。
買い手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 食堂の管理運営受託事業 |
買収理由 | 事業拡大のため |
買い手企業は、人材派遣事業を本業とする傍ら、参入障壁の高い施設内での食堂・売店の管理運営事業に進出し、食堂の管理運営事業の拡大を考えていました。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
本件の売り手企業である株式会社松美屋は、更なる事業発展を目指し、レストラン事業の運営委託、環境工事事業や人材事業を行う企業に株式譲渡を含む資本業務提携を実施しています。M&A実施後も、代表取締役に就任している同氏は、両社の相乗効果を活かした事業の拡大と成長に邁進しています。
下記のインタビューでは、売り手企業となる松美屋の松本保代表取締役に、M&Aを検討したきっかけや、相手先を決めた理由、相手先へ求めること、M&A後の状況について、お話を伺っています。
>>【相乗効果を活かし事業の拡大と成長を目指す成長戦略型M&A】を読む
事業承継型M&A
セコムとセノンのM&A【警備×警備】
売り手企業の事業内容
セノン:常駐警備、機械警備[11]
買い手企業の事業内容
セコム:セキュリティ事業、防災事業、メディカル事業など[12]
M&Aの実施目的
買い手企業:サービスの品質向上、総合セキュリティ企業としての業容拡大
M&Aの成約に関する詳細
詳細[11] | |
スキーム | 株式譲渡 |
実施時期 | 2022年7月 |
結果 | セノン株主がセコムに55.1%の株式を売却 |
売却金額 | 269億9,900万円 |
あなぶきクリーンサービスとアリオスのM&A【不動産総合×ビルメンテナンス】
売り手企業の事業内容
所在地 | 首都圏 |
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事業内容 | ビル・マンション管理、清掃、工事業 |
譲渡理由 | 後継者不在 |
売り手企業は、ビルメンテナンス業の黎明期からの老舗企業で、首都圏エリアにおいて地域密着で事業拡大をしてきました。事業領域としては、ビル管理、マンション管理、清掃、工事などを行っています。
買い手企業の事業内容
所在地 | 西日本エリア |
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事業内容 | 不動産総合サービス事業 |
買収理由 | 首都圏エリアの拡充・内製化 |
買い手企業は、西日本エリアを中心に事業展開をしている不動産総合サービス企業です。これまで、首都圏においては、売り手企業が行っている事業領域(ビル・マンション管理、清掃)について、グループ外の協力会社に業務を発注していました。そのため、首都圏エリアにおいて、ビル・マンション管理、清掃業務を行う会社をM&Aにより獲得することを目的としていました。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
本件の売り手企業である株式会社アリオスは、1969年の創業以来、半世紀以上にわたって、首都圏にて清掃・設備点検・工事等の実績を重ねてきました。社内に後継人材はいたものの、営業面での先行き不安を補完し、従業員に対する長期的な雇用の安定化、教育体制の強化を実現するために、M&Aを事業承継の手段として選択しました。下記インタビューでは、売り手企業の株式会社アリオス創業者の林 茂德様に、事業承継やM&Aの決断の背景などについてお話を伺っています。
>>【会社の成長・発展をかなえる理想の相手との事業承継・M&A】を読む
建設会社と受託ソフトウェア開発会社のM&A【建設×ソフトウェア開発】
売り手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | ソフトウェア受託開発・保守業 |
譲渡理由 | 後継者不在 |
売り手企業は、ソフトウェア受託開発・運用保守を得意とする企業で1986年5月に設立。主に、自治体向け防災システム、消防向けシステムを長年にわたり開発してきました。
買い手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 建設業 |
買収理由 | DXの内製化 |
買い手企業は、国内外に10数社の関連会社をもつ専門工事会社グループ。DX(デジタルトランスフォーメーション)化が遅れているといわれている建設業界のなかで、グループをあげてDX化を推進するため、当該プロジェクトの中核会社となりうる、ソフトウェア受託開発会社を探していた。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
売り手企業であるテクニカルブレイン株式会社は、社内で後継人材の育成に力を注いでいたため、実務面を任せられる人材は育ってきていましたが、将来の業務受注に関する先行き不安や、株式の承継の問題を抱え、事業承継の選択肢としてM&Aを検討していました。
M&Aのマーケットでは、ソフトウェア受託開発・運用保守業は売り手市場といわれております。
手を挙げる会社は多数ありましたが、相手先の選定にあたっては、価格等の条件面のほか、①将来にわたって開発案件の供給が期待できること(営業面の強化)、②安定した経営基盤を持ち、自社と社風があうこと(従業員が安心して働ける環境)、③開発中の自社サービスやそれに携わる人材を生かしてくれること、といった点を重視し、最終的にIT基盤の強化を目指す「土木・建設工事会社」への株式譲渡を決断しています。
下記インタビューでは、テクニカルブレインの創業者の根本憲夫様に、M&A決断の背景や異業種企業とのM&Aの留意点、事業承継・M&Aの成功のポイントなどについてお話を伺いました。
>>【社員の未来のために決断した異業種企業とのM&A】を読む
音響機器の輸入商社と高級音響機器の輸入商社のM&A【輸入商社×輸入商社】
売り手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 高級音響機器の輸入卸 |
譲渡理由 | 事業承継(後継者不在) |
売り手企業は、日本のハイエンドオーディオ業界を長年牽引してきた輸入商社。海外メーカー及び国内ユーザーからの信頼が厚く、当該マーケットでは確固たる地位を築き上げてきました。一方、創業者であるオーナー社長は事業承継の適齢期を迎えており、後継者不足という経営課題を抱えていました。
買い手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 音響機器の輸入販売 |
買収理由 | 特定領域の強化 |
買い手企業は、様々な価格帯の商品を取り扱っている老舗のオーディオ機器の輸入商社。しかし、ハイエンド領域については、それを専門に取り扱っている企業の牙城を崩すことが難しく参入障壁が高いと考えていました。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
本件売り手企業である株式会社ノア/株式会社アーク 元代表取締役の野田 頴克氏は、今後においても事業と雇用の継続性を担保するために、ハイエンドオーディオ業界に精通し、資本力の高い企業への事業承継(M&A)を検討していました。その折、要望に合致する企業からM&Aのオファーがあり、全株式を譲渡することとなりました。
下記インタビューでは、どのようにして事業承継を進めていたのか。承継後の状況はどうか。M&Aを通じて何を実現させたいのか。売り手企業の株式会社ノア/株式会社アーク元代表取締役の野田 頴克氏にご登場いただき、お話を伺っています。
>>【オーナー経営者の体験談から学ぶ『次世代に引き継ぐためのM&A』】を読む
業界再編型M&A
大手調剤薬局による老舗調剤薬局の譲受け【調剤薬局×調剤薬局】
売り手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 調剤薬局の複数店舗運営 |
譲渡理由 | 経営基盤の強化 |
売り手企業は、半世紀の歴史を有する老舗の調剤薬局の運営会社。オーナーは、創業者である父親から経営のバトンを受け取った二代目社長。常に俯瞰した目線を持ち、業界が直面している社会的な制度に対する先行き不安を補完し、従業員に対する長期的な雇用の安定を図る為には、大手資本への参画が、将来的には望ましいとの考えを持っていました。
買い手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | 調剤薬局等の運営 |
買収理由 | 事業の拡大 |
買い手企業は、調剤薬局の多店舗展開を積極的におこなっている、調剤薬局の大手運営会社。新規出店によるカニバリゼーションの発生よりも、各地域に確固たる基盤を築いている既存の調剤薬局に参画して頂くことによる、友好的な規模の拡大を積極的に行っています。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
本件売り手企業である有限会社たけなが薬局の前代表取締役である武長正洋氏は、経営者としての立場をアーリーリタイアすることとなるものの、先を見た経営判断としてM&Aを実施しました。具体的には、昨今の新型コロナウイルスの発生による処方箋枚数の減少や、医療機関の一時閉鎖などの想定外の影響から、調剤薬局制度の先行き不安への補完と雇用安定を優先し、このたびの英断に至りました。
下記インタビューでは、現在親会社である買い手企業の役員に就任し、薬剤師としての新規事業の開発に従事されている武長前代表に、M&A決断から現在に至るまでのお話をお伺いしています。
ハードウェアの設計・製造会社とソフトウェア開発のM&A【設計製造×ソフト開発】
売り手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | ソフトウエア開発業(請負・派遣) |
譲渡理由 | 経営基盤の強化による事業の継続・発展 |
売り手企業は創業から20年以上に渡り、大手企業を顧客に持ち、アプリケーション、組込系のソフトウェア開発を行ってきました。しかし、近年は事業の柱である請負事業の受注の波が激しく、経営が安定しないことなどにより、負債が重くのしかかっていました。さらに、もう一方の事業の柱である派遣事業に関しても、派遣法改正に伴う対応に苦慮しており、派遣事業の継続に問題を抱えていました。
買い手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | ハードウェアの設計・製造 |
買収理由 | 技術者と顧客の獲得による周辺事業の拡大 |
買い手企業は、電子応用製品・産業用製造装置・自動省力化機械開発、設計製造などの事業を行ってきた会社です。ハードウェアの設計・製造に強みを持つ中で、顧客企業からの要望もあり、開発・設計、製造・現地調整までをトータルで受託する体制作りを志向していました。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
売り手企業は、事業の継続と従業員の雇用の安定を考え、自社の事業と補完関係があり、グループ入りを行うことで相乗効果が見込める買い手企業に全株式の譲渡を行うことを決断しています。以下の本件事例紹介ページでは、本件M&Aによってもたらされる相乗効果についての、売り手企業・買い手企業の取り組みや、担当アドバイザーの考える成約した要因についても、解説しています。
>>【ソフトウエア開発業(請負・派遣)の株式譲渡【事業承継】】を読む
事業の選択と集中
ミライト・ホールディングスと西武建設のM&A【建設×建設】
売り手企業の事業内容
西武建設:土木、建築等の総合建設事業
買い手企業の事業内容
ミライト・ホールディングス:通信、電気、土木、建築工事事業
M&Aの実施目的
買い手企業:コンサルティングから設計・施工・運用までをトータルに提供する事業の積極的な展開
M&Aの成約に関する詳細
詳細[13] | |
スキーム | 株式譲渡 |
実施時期 | 2022年3月 |
結果 | 西武建設株主がミライト・ホールディングスに95%の株式を売却 |
売却金額 | 約620億円 |
ITコンサルティング会社とWebプラットフォームの運営事業のM&A
売り手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | Webプラットフォームの運営 |
譲渡理由 | 選択と集中 |
売り手企業は、Webプラットフォームの運営事業をはじめ、複数事業を行っている企業です。今回、社内リソースの問題から、Webプラットフォーム事業の譲渡を決断しています。
買い手企業の事業内容
所在地 | 関東 |
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事業内容 | ITコンサルティング |
買収理由 | 新規領域への参入 |
買い手企業は、成長戦略の一環として、積極的にM&Aに取り組んでいる企業です。ITコンサルティングを主業としており、自社のITコンサルティングのノウハウを活かせる新規領域への参入を検討していました。
M&Aの実施目的と成約に関する詳細
詳細については、下記本件事例紹介ページにて案内をしております。
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■グループ企業一覧
日本クレアス税理士法人
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■事業内容
会計・税務
M&A(仲介・コンサルティング)
FAS(株価算定/財務調査/企業再編)
人事労務 / 給与計算
相続・事業承継
企業法務・法律顧問
IFRS(国際財務報告基準)・決算開示(ディスクローズ)支援
内部統制(J-SOX)・内部監査
海外現地法人サポート
非上場株式売却コンサルティング(非上場株式サポートセンター)
■社員数
417名(グループ全体 / 2023年10月現在)
税理士(試験合格者含む)56名
公認会計士(試験合格者含む)15名
特定社会保険労務士2名
社会保険労務士(試験合格者含む)12名
弁護士 2名
相続診断士41名
中小企業診断士1名
行政書士4名
■関与先
法人 3,240社(うち上場企業85社)
社会福祉法人 133件
クリニック・医療法人・介護福祉等 593件
個人 4,015名
合計 7,981件
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