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Q.
A.
「事業承継」と一口に言っても様々な手法があります。
まずは
●親族内承継
●親族外の役員・従業員への承継
●所有と経営の分離
●第三者への売却
以上の中から、事業承継の方法を決めなければなりません。
いずれの選択肢をとるにしても、決定即実行…というわけにはいきませんので、早め早めに各選択肢について検討されることをお勧めします。
それでは事業承継の方法の決定について、もう少し詳しく見ていきましょう。
①現状の分析把握
会社の役員構成や財務状況、経営者ご本人の財産状況や親族内の後継者候補の有無を確認します。
さらに、相続税等の事業承継に必要な資金を把握するとともに、会社の財務状況や個人の資産状況を確認して、事業承継に必要な資金が確保されているかどうかを確認します。
②事業価値源泉の分析把握
自社の分析を外部環境(市場や競合等)、内部環境(社内体制や技術力等)双方の視点から客観的に行います。これにより自社の強み・弱みが明確になります。
この分析結果に基づいて、経営者・後継者(候補)で自社の事業価値の源泉について納得いくまで話し合うことが重要になります。
③現状の事業価値源泉のままで承継可能かどうかを判断する
経営者の個人的能力が事業価値の最大の源泉となっている場合には、現状のままでの承継は困難な可能性が高いです。
また、事業の継続のためには、事業価値源泉が継続的に十分な付加価値を創出し続けなければなりません。よって、現在の事業価値の源泉がどのくらいの期間にわたって付加価値を提供し続けられるのかも見極める必要があります。
④承継のための仕組みづくり
事業価値源泉が経営者個人の資質に依存していると判断され、後継者が経営者と同様の資質を持たない場合には、「仕組み」を構築することで後継者が事業を引き継ぐことが可能な状態にする必要があります。
すなわち、経営者個人の能力に頼った経営から、組織的な経営への転換を図る、ということです。
そのためには、経営理念を明確にし、必要な人材を育成し、その人材に権限を委譲していく必要があります。
⑤事業承継環境の整備
自社、経営者ご自身、その他事業承継における関係者の状況を正確に分析把握し、阻害要因を取り除き、円滑な事業承継に向けた環境の整備が必要です。
⑥後継者の選定
経営者の親族の中に後継者候補がいない場合は、役員・従業員の中に後継者候補がいないか確認します。
後継者候補が複数いる場合には、その中から最も適任である人を選定して、経営者としての教育を行います。
後継者候補が決まれば、事業承継の方法も決まります。
親族内承継、親族外の役員・従業員への承継、第三者へのM&Aのいずれの方法によって事業承継を行うかが決定すると、事業承継に計画的に取り組むことができます。