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基調講演:「未来の年表~人口減少日本で起こること~」
作家/ジャーナリスト/一般社団法人 人口減少対策総合研究所理事長 河合 雅司 氏
一般社団法人「人口減少対策総合研究所」理事長。高知大学客員教授、大正大学客員教授、日本医師会総合政策研究機構客員研究員、産経新聞社客員論説委員など多くの職務を兼務する。
著書『未来の年表』(講談社現代新書)は、『未来の年表2』(同)、『未来の地図帳』(同)との累計で86万部(2019年9月末現在)を突破する大ベストセラーとなる。『未来の年表』シリーズ以外にも『河合雅司の未来の透視図』(ビジネス社)、『未来の呪縛』(中公新書ラクレ)、『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社新潮選書)など数多くの著書がある。
人口減少・少子高齢化によってこれまでと異なる状況になるのは明らかで、経営・経済そのものがこれまでのやり方が通用しなくなっていくと思われます。
反面、人口減少・少子高齢化はほとんどの人が知っているが、その中身がどう変化していくのかを知らない人は多いです。
時代が変わるなら変わるなりに正しく理解をして、先手を打っていかないと、企業経営が行き詰まる結果となるでしょう。
2018年の人口動態を見ると、年間出生数(過去最少)・年間死亡数(戦後最多)・自然増減数(過去最大)など、減少を示す項目ばかりです。中でも、自然減少数は40万人台に突入し、2019年の速報値では50万人台の人口減少となる見込みです。
人口減少と一言にいいますが、現在は「減少スピードが速まって」おり、今後その拡大が見込まれているという時代です。
2040年には自然減少数が90万人に達する見込みで、ビジネスの側面で考えると、これだけの国内マーケットが減少するのですから、国内でしか需要がないビジネスがいまのままでは今後成り立たなくなるのは明白でしょう。
2017年と2040年の間に20歳~64歳、つまり働く世代の人口が年間約60万人ずつ減少します。様々なサービスの担い手がいなくなり、ほとんどの企業で人手不足が懸念されます。企業のみならず、自治体の職員の数も減少します。例えば人口一万人未満の町村ではその数が4分の3になることを総務省が予測しています。
行政のサービスが欲しいのに、それを提供する人がいない。つまり生活必需サービスが行き届かなくなるということを意味します。行政だけではありません。生活や企業活動のインフラとなっている物流業界ではドライバーの不足が懸念されますし、働き手不足による民間事業が撤退し、買い物難民、通院難民などが生まれることも予想されます。
サービス提供者の減少は経済全体のために危惧すべき問題ですが、民間企業ではビジネスチャンスと捉えるべきではないでしょうか。
働く世代の人口減少の対処方法の一つとして労働生産性を上げることが必要ですが、「介護離職」によって労働生産性が下がっているのが現状です。
厚生労働省や財務省が社会保障費を抑制するために「医療も介護も在宅シフト」という政策転換を行いました。社会保障費の抑制には効果があったものの、在宅で家族の面倒を見るために離職する働き手を増やす結果となりました。
経営者の高齢化も課題です。企業の倒産件数は減っていますが、解散・廃業は増えています。しかもその半分近くが黒字会社です。その中の6%の企業では利益率が20%を超えています。
2025年に70歳を超える経営者に対して経済産業省がアンケートを行いましたが、その半数が「後継者について決めていない」と回答しています。
人口動態の変化に対して対応していくスピードを上げていくことが経営課題の一つに加わるでしょう。
人口動態の変化は経営構造そのものにも変化を突き付けてくるでしょう。
戦後の日本は様々な形で成功パターンを編み出してきました。その代表例が大量生産・大量販売による拡大型のモデルです。しかし、国内の市場があったからこそ通用してきたこのモデルは、今後のマーケット縮小で通用しなくなります。
働く世代の減少によって従業員が簡単に採用できなくなりますので、少ない従業員数・縮んだマーケットでどのように利益を上げていくのか。利益の絶対額は減るが1人当たりの利益率をどう上げていくのか。この経営方針の転換が必要になってきます。
労働者不足問題を解消する方法として、政府は「外国人労働者の受け入れ」「高齢者の社会参加」などいくつかの政策を上げていますが、その効果については懐疑的に考えています。
外国人労働者の受け入れを例に挙げます。外国人労働者は現在146万人おり、しばらくは増加が続くと思われますが、いつかは頭打ちになります。なぜなら、日本に労働力を送り出している国も少子高齢化が始まっているからです。いつまでも日本に対して労働力を送りつづけることはできません。
若い人口が減少し高齢者が増加する時代を迎え、今後も経済発展を続け企業経営を維持していくためには、産業構造、ビジネスの発想、一般消費者の価値観も変えていかざるを得ないでしょう。
大量生産・大量販売の拡大型のモデルから、少量生産・少量販売の「小さくても豊かな国」にシフトしていく戦略が重要になってくのではないかと考えます。
そのために新しい産業領域にチャレンジするような、原野を開拓していく時間的余裕はありません。今ある技術や強みをどのように活かしていくのか、今ある従業員・機械設備でいかに利益率を上げるのか、その枠組みを考えていくのが経営者の課題です。M&Aはその課題解決方法の一つでしょう。相手が持っている強みを取り込むことで、経営課題を解決する次の展開が見つかるのではないでしょうか。
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