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写真右:株式会社現代計装 代表取締役 野村 光作 氏
写真左:株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A企業提携第一部 部長 山内 直人
設立時の従業員は4名、その後現在に至るまで多くて6人という小規模な工場ですが、「敢えて会社を大きくしなかった」経営戦略があります。バブルの時は売上が右肩上がりで、多くの銀行が工場を増やして企業の規模を大きくするべきだと日参してきましたが、決して首を縦に振りませんでした。
もし万が一、仕事がなくなるような事態に陥っても、5~6人の規模ならばなんとか耐えられる。保守的な考え方かもしれませんが、会社の規模を大きくするよりも従業員の雇用を守ることの方を重視していました。バブルが弾けた後のさんざんな経済状況をみると、やはり私の経営判断は正しかったと思っています。
さらに実は、2年ほど前には会社を解散しようとしていました。年齢的な理由もありますし、少しずつ売上が減ってきていたので、いい潮時だろうとの判断です。
従業員にそれなりの金員を渡し、いついつを目途に会社をたたむ、と説明したのですが…従業員が辞めないんです。仕事が好きなのか会社が好きなのかは分かりませんが仕事を続けてくれる。会社を解散しようとしているくらいですから、従業員には「これからは給料が半分になるよ」と言っても辞めずに仕事を続けてくれる。そうこうしているうちに急に仕事が増えだして、会社は解散どころではなくなりました。
これはもう、私が元気なうちは従業員を見守るしかないな、と決意した矢先にコーポレート・アドバイザーズM&A(以下、CAMA)に出会い、M&Aによる事業承継について考えるようになりました。
また、上場企業で経営も安定している点も安心感があり、これならば従業員と会社を任せられると判断しました。
実のところは、最初に譲渡先を紹介されたときは「こんな大きな会社が私の会社を買うわけがない」と半信半疑でしたが、CAMAがスピード感を持って話を進めていただいたこともあり、円満に事業承継ができたと思っています。
また、大手企業が母体にあるため着実に仕事が増えています。先日などは新しい従業員を雇うための面接を行いましたし、工場も増設することになりました。これまでは雇用を守ることに重視し組織の規模の拡大には慎重、どちらかというと抑制をしていましたが、事業承継によってその縛りがなくなり、自由に動けるようになりました。
本当は2~3年で引退をしたいと思っているのですが、今の企業の成長スピードを見ると、なかなかそれも難しそうですね。
承継に悩んでいる経営者の方には会社を譲渡する、という選択肢もぜひ検討していただきたいです。
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