セミナー参加を
ご希望の方
お気軽にお問合わせください
03-3593-3239
掲載中
株式会社ツツミワークスは、タワーマンションや商業ビル等の高層階の大規模修繕工事に多くの施工実績を有する修繕工事のプロフェッショナル集団。
平成9年に、創業者である堤崇氏が設立し、代表取締役社長に就任。100年継続する会社にするため、また周りの人々に助けられた会社であることから、親族内承継を行なうことなく、経営と資本の分離を行なうことによる100年企業づくりを行なっています。
その一環として、令和2年に、自身が保有する同社の100%株式を、不動産事業を中心に、介護、人材等の幅広いサービスを全国展開している、あなぶきグループへ譲渡し、先ずは資本の安定化を実施。
株式譲渡後も代表取締役社長に就任している同氏は、次なる経営の承継に向けて、M&Aに伴うPMI(グループ会社との連携強化等)の対応と、後任の育成に注力しています。
創業の経緯と沿革を教えてください。
私は、もともとはマンションや商業施設等の修繕工事の現場で職人として働いていました。また、一人では出来ない仕事であることから、多くの仲間と共に働いていました。当時に勤めていた会社は、非常に家族経営的な部分が強く、その影響により、職人からは待遇に対する不満が常に出ていました。
創業した経緯は、その不満を持つ仲間の職人から押し上げられる形で起業しましたので、どうしても自分でやりたくて起業したわけではなかった。その為、自己資金を準備していた訳でもなく、親戚からお金を借り、資本金300万円の有限会社としてスタートしました。
その後、バブルの崩壊に伴い、それまでは新築マンションの購入に需要が集中していましたが、既存のマンションを修繕して大切に使う、修繕して資産価値を維持するという流れに変ったことにより、当社が行なっていた大規模修繕工事の需要が高まりました。また、業界最大手の会社の下請けを行なっていたこともあり、時代の流れに助けられた形で事業規模を拡大して行きました。
会社の規模が大きくなると、100%だった下請け業務の比率が50%以下となり、利益力の高い仕事を増やすことが出来ようになりましたので、従業員の処遇や教育環境を向上し、新たなチャレンジに投資することも出来る会社になりました。
当社は、周囲の方々に助けられて成長してきた会社であるため、そもそも、子供に継がせるという家族経営を行なう考えはなく、従業員の中から、後継者を育てることを考えていました。
きっかけは、前述の折り、コーポレート・アドバイザーズM&A(以下「CAMA」。)の担当者さんから、具体的な売却の提案を受けたことです。それまでも、取引銀行の融資担当の方からM&A担当の方の紹介を受け、M&Aの説明や買手企業の紹介を受けたこともありましたが、当社にとっての最良の提案であるとは思えませんでした。CAMAの担当の方は、M&Aの相手(買手)として提案する企業のことを熟知していて、かつ当社の考えや求めていることの理解が早く、仲介役として適格な対応をして頂けたので、信用して話を聞き、相談することができました。
安定した成長を示している大企業であることから、当社の資本を承継する相手としては、全く申し分がないと考えていました。また、社長を始めとする役員の方々や、お会いした社員の方々も真面目な方ばかりで人柄も良く、当社が行なっている修繕工事の現場や、そこで働いている職人のことを大切に考えていることも理解ができましたので、当社の従業員を安心して託せる相手であるとも考えました。
実際、株式譲渡後の現状においても、その考えは変わらずにいますので、私としては、最良の相手であるという考えは、今も変わっていません。
社内については、100%の株式を譲渡したものの、私が、代表取締役社長を継続していますので、混乱は一切、生じていません。また、グループ内から新規受注が生じるなどの相乗効果により、新型コロナ渦の環境下においても、活気のある従業員が集う雰囲気の良い職場になっています。
社外については、大手企業の系列になることによるマイナスの影響を心配していましたが、前述の相乗効果の恩恵により、その心配がなくなりました。また、M&A(売却)を行なったことについては、会社が成長し、次のステージに上がる為には、個人経営からの脱却が必要不可欠であるとの認識を持って頂いている方が殆どですので、こちらについても混乱は生じていません。
今後については、M&Aによるシナジー効果を最大限に活用し、受注量の増加に見合う従業員の確保と育成、更には社長職を担う人材の育成に努めたいと考えています。
私のように、「株主であり社長である。」という中小企業のオーナー社長は、沢山いらっしゃると思います。また、オーナー社長の場合は、引退するタイミングが決まっていないので、「気が付くと、其れなりまたは其れなり以上の年齢になっていて、後継者の育成も出来ていない。」という話をよく聞きます。
自分の経営能力と保証能力の壁を感じた段階で、自分以外に対して、自分の会社の将来を託すことを意識した会社経営が必要だと思います。
私の場合は、体力的にも年齢的にも、まだまだ頑張れるタイミングでM&Aを行ないました。その結果として、従業員としては、「社長は今までのままで、大手企業のグループ会社になった。」ということで、安心と将来への期待を持ってくれたと思います。事業承継は、社長に余裕がある早いタイミングで実施し、その後のPMIに十分な時間を費やす。それにより、M&A後の会社を託せる人材の育成にも関与することが出来ることとなり、創業社長だけでは絶対に実現することが不可能である100年継続する企業のバトンを、責任を持って渡すことができると考えています。
コーポレート・アドバイザーズM&Aへお気軽にご相談ください。
M&Aに関する無料相談やセミナーを随時行っております。