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M&A体験談インタビュー

M&A体験談インタビュー

掲載中

従業員3名の会社を上場企業に譲渡。

成長スピードを加速させるM&Aとは。

タイトル:
従業員3名の会社を上場企業に譲渡。/成長スピードを加速させるM&Aとは。
講師:
株式会社現代計装 代表取締役 野村 光作 氏

写真右:株式会社現代計装 代表取締役 野村 光作 氏
写真左:株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A企業提携第一部 部長 山内 直人

創業の経緯

Q.
創業の経緯を教えてください。
A.
水処理装置の製造・販売などを行う大手企業に入社し、電気設計のイロハを学んだ後、特に設計の技術力を買われ他社に引き抜かれる形で活躍の場を移しました。その後、父親が職人だったことも影響してか独立心があり、また経営に興味があったことから、制御盤の設計や組み立てを行う株式会社現代計装を設立しました。

設立時の従業員は4名、その後現在に至るまで多くて6人という小規模な工場ですが、「敢えて会社を大きくしなかった」経営戦略があります。バブルの時は売上が右肩上がりで、多くの銀行が工場を増やして企業の規模を大きくするべきだと日参してきましたが、決して首を縦に振りませんでした。

もし万が一、仕事がなくなるような事態に陥っても、5~6人の規模ならばなんとか耐えられる。保守的な考え方かもしれませんが、会社の規模を大きくするよりも従業員の雇用を守ることの方を重視していました。バブルが弾けた後のさんざんな経済状況をみると、やはり私の経営判断は正しかったと思っています。

M&A選択の理由

Q.
M&Aという選択をされた理由を教えてください。
A.
親族内承継を考え、20年程前に息子を入社させ鍛え上げようとしましたが、上手くいきませんでした。私の期待が強すぎたのかもしれませんが、身内となると相当厳しく指導をしてしまい、そのうち息子が根を上げてしまったのです。

さらに実は、2年ほど前には会社を解散しようとしていました。年齢的な理由もありますし、少しずつ売上が減ってきていたので、いい潮時だろうとの判断です。

従業員にそれなりの金員を渡し、いついつを目途に会社をたたむ、と説明したのですが…従業員が辞めないんです。仕事が好きなのか会社が好きなのかは分かりませんが仕事を続けてくれる。会社を解散しようとしているくらいですから、従業員には「これからは給料が半分になるよ」と言っても辞めずに仕事を続けてくれる。そうこうしているうちに急に仕事が増えだして、会社は解散どころではなくなりました。

これはもう、私が元気なうちは従業員を見守るしかないな、と決意した矢先にコーポレート・アドバイザーズM&A(以下、CAMA)に出会い、M&Aによる事業承継について考えるようになりました。

譲渡先を決めた理由

Q.
今回の相手に決めた理由を教えてください。
A.
M&Aを決意した経緯にもありますが、相手先にまず求めるのは従業員の雇用とその安定です。
譲渡先はもちろんその条件を受け入れてくれました。そもそも譲渡先はキーテクノロジーを内製化したいと考えており、そのために当社の技術者の知識と経験を活用したいとのこと。それだったら従業員もこれまで以上に活躍できるのではないか、と考えました。

また、上場企業で経営も安定している点も安心感があり、これならば従業員と会社を任せられると判断しました。

実のところは、最初に譲渡先を紹介されたときは「こんな大きな会社が私の会社を買うわけがない」と半信半疑でしたが、CAMAがスピード感を持って話を進めていただいたこともあり、円満に事業承継ができたと思っています。

現況について

Q.
野村様の現況を教えてください。
A.
まだ第一線で活躍しています。営業しながら設計し、経営する。これまで以上に忙しくなってしまったくらいです。ただ、従業員の今後の事について心配する気苦労はなくなり、安心感をもって経営ができています。

また、大手企業が母体にあるため着実に仕事が増えています。先日などは新しい従業員を雇うための面接を行いましたし、工場も増設することになりました。これまでは雇用を守ることに重視し組織の規模の拡大には慎重、どちらかというと抑制をしていましたが、事業承継によってその縛りがなくなり、自由に動けるようになりました。

本当は2~3年で引退をしたいと思っているのですが、今の企業の成長スピードを見ると、なかなかそれも難しそうですね。

M&Aの体験をもとにしたアドバイス

Q.
ご自身のM&Aの体験をもとにしたアドバイスをお願いします。
A.
まずは、会社を解散するという方法以外にM&Aで譲渡するという選択肢があることを多くの経営者に知っていただきたいです。私もCAMAに出会うまではM&Aには詳しくなかったですし、まさか私の小さな会社が上場企業に譲渡できるとは考えていませんでした。私の周りにも閉めた会社が複数あります。そのような状況になりそこの従業員が戸惑うその姿を見てきたので、私は従業員にそんな思いをさせたくない、その一心で事業承継の方法を模索していました。

承継に悩んでいる経営者の方には会社を譲渡する、という選択肢もぜひ検討していただきたいです。

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