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幼少期、リウマチを患う祖母を、母が24時間介護する姿をみながら育ちました。この体験から、将来は福祉の道に進もうと決心しました。大学は福祉学部を卒業し、介護施設を運営する会社に就職しました。介護の仕事は、キツイ上に給与が良くありません。30人いた同期も次々に辞めてしまい、3年目には私1人となりました。その頃、看護師として働く妻と結婚し、子供の誕生を機に「低賃金の介護業界の給与水準を変えたい!」という熱い想いが私の中に芽生えました。介護業界を変えるためには起業が近道と考え、まずは開業資金を貯めることに専念しました。「1億円を貯めることができたら起業しよう!」と決意し、不動産業を営んでいた株式会社住センターに入社しました。
紆余曲折ありましたが20年かけて開業資金の1億円を貯め、念願の介護事業をスタートしました。最初の店舗は、横浜の保土ヶ谷を選び、質の高いサービスを売りにしました。しかし、理想の介護を提供しようとサービスを盛り込み過ぎたせいで、社員が1年足らずで辞めてしまう事態に陥りました。やや前のめりになっていたようです。その後、事業を再構築させ、5店舗まで拡大しました。
私の中では、10店舗まで拡大させる計画でした。しかし思うようには計画が進みません。その理由は、介護業界そのものが、政府が3年に1度行う「介護報酬の見直し」の影響を受けるためです。高齢人口の増加に伴い、介護報酬は抑制される傾向にあります。どんなに質の高いサービスを提供しても3年後には介護報酬が下げられてしまうため、3年ごとに葛藤が繰り返されてきました。また、人の問題もありました。5年位前までは、募集をすればすぐに採用ができましたが、直近2~3年は全く採用することができなくなりました。人がいないと店舗を広げることはできず、事業を成長させることができません。
そうした苦しい状況でしたが、あと10年は自分で会社を経営できると思っていました。実際、社内には後継者候補者がいましたので、10年かけて経営者としての能力を高めるつもりでした。
専務である妻に、M&Aを検討していることを打ち明けると、「どうしてそのような発想になるのか?」と怒りを露にされました。実際、妻と二人三脚で会社を成長させてきましたし、「会社は命、社員は子供」のような存在です。そのため最初は、簡単には私の気持ちを理解してはくれませんでした。正式にM&Aが決定するまでは、従業員に伝えることができませんでしたので、心苦しかったです。ただし、会社のキーマンとなる部長には、譲渡契約締結前に概要を伝えました。すると驚きのあまりずっと無言でした。事業の継続や従業員の雇用を守ること、お客様に安心・安全のサービスを継続的に提供するために、M&Aを選択肢として選んだ旨を繰り返し伝えました。最終的には、「社長がそのような判断をしたのであれば……」と言ってくれましたが、完全には納得しきれていない様子でした。
現在は熊本に帰り、復旧に携わっています。譲渡後は気持ちの整理がつき、すっきりした気持ちです。M&Aに関しては、率直に表現するならば、「まだ、経営者としてやれたのではないか?」という気持ちが少し残っています。しかし、今後10年を考えると良いタイミングで譲渡できたと感じています。震災という「まさか」の事態に直面してピンチに陥りましたが、M&Aを選択することでピンチをチャンスに変えることができました。譲渡先の企業には、1)社員の雇用を守る 2)会社名を存続させる、等こちらが提示した条件は全てのんでいただきまして、とても理想に近い事業承継となりました。
譲渡後、業績が115%で推移していることも嬉しいですし、従業員にとっては、キャリアパスが増えたそうです。ポジティブに頑張ってくれている姿を見て、安心しました。
実は2~3年前から、別のM&A仲介会社からアプローチを受けていました。しかし、タイミングの問題等もあり断っていました。コーポレート・アドバイザーズさんは、私の悩みも十分理解してくれましたし、「M&Aで何が実現できるか」をしっかり教えていただきました。頻繁に担当者と連絡をとりあい、信頼関係を築けたと思います。譲渡する立場、譲り受ける立場のどちらになるにせよ、信頼できる仲介業者さんを選ばれると良いでしょう。同じような悩みを抱えている経営者の方々はたくさんいると思うので、この体験談を契機に多くの方が満足のいく事業承継を実現してくれたら幸いです。
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