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M&A検討時のポイント

会社売却の進め方~良い価格条件で、理想の相手先に売却する方法~

会社売却とは、会社が保有するすべての財産や、さまざまな権利・義務を第三者に譲り渡し、売却先の第三者からその対価を受け取ることをいいます。会社売却を成功させるには、いかにして、良い価格条件で、理想の相手先に売却するかが重要です。本記事では、そのポイントについて解説します。

■会社売却の具体的手法は?

会社売却の具体的手法としては、株式譲渡、事業譲渡、合併、会社分割などがあります。2018年中小企業白書によると、事業譲渡が41.0%と最も多く、次いで株式譲渡が40.8%となっています。事業承継を目的とした中小企業のM&Aにおいてはその手続の手軽さゆえ、株式譲渡による会社売却が一般的ですが、事業譲渡で実施した理由について見てみると、「取得したい資産や従業員、取引先との契約を選別できた」や「簿外債務の引継ぎや想定外のリスクを回避できた」と回答する買い手側の理由によるものが多く、事業譲渡は、買収側のリスクをコントロールする手法として、活用されていることがうかがえます。


価格については、会社全体を売却する「株式譲渡」の方が、特定の事業のみを売却する「事業譲渡」よりも売却金額が相場の金額は高くなりやすい傾向にあるといえます。一方で、買い手から見ると、「事業譲渡」であれば、事業と関係のない資産や負債を引き継がなくてよい、のれん部分の減価償却(損金算入)ができる、なとどいったメリットもあるため、のれん(営業権)の評価はしやすい傾向にあるといえます。


また、「事業譲渡」では、会社自体は売却されないため、事業を売却したあとの会社をどう活用するか、についても併せて検討していく必要があります。

■売却価格の決め方

■売却価格の決め方

売却価格は、最終的には買い手と売り手の交渉によって決まります。その交渉の基礎となる参考数値が、価値算定によって算定した金額です。価値算定では、専用の算定方法が用いられます。その算定方法は、1つではなく、数多くある算定方法の中から複数のものを用いて総合的に算定するのが一般的です。価値算定の算定方法は、3つの種類(コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチ)に分類されています。中小企業の比較的規模が大きくないM&A取引では、売却価格の適正金額を、譲渡対象の会社の「時価純資産」に「実質営業利益」を足し合わせる計算方法で算出されるケースが多くなっています。


具体的には、貸借対照表の簿価を「時価」に修正したうえで、純資産から負債を差し引いて求められます。「実質営業利益」は、M&Aの対象となる企業が「本業によって得ることができる利益」のことです。


基本的に「実質営業利益」は、「売上総利益-諸経費」から算出される「営業利益」から、「オーナー経費などを含む事業と関連しない節税対策額」を加えたものになります。この「時価純資産+実質営業利益」によって算出される価格が、M&Aにおける「売却価格の適正価格」といえます。


ここでは、株式譲渡の場合、事業譲渡の場合の売却価格について、事例を使って説明します。

【事例】時価純資産+実質営業利益×3倍を売却価格の適正金額とし、時価純資産を1億円、実質営業利益を2000万円とします。


時価純資産1億円+実質営業利益2000万円×3倍 = 1億6000万円

高い価格条件で会社売却をするためのポイント

■高い価格条件で会社売却をするためのポイント

会社の売却価格における適正金額(相場金額)の考え方は前述の通りですが、それはあくまでも決算書等に基づいて計算した数値でしかありません。売却価格は最終的には、買い手と売り手の交渉によって決まるため、いかにして相場よりも高い価格で会社売却の成立まで導くかにおいては、次の4点が重要になります。


(1)事業の利益が出ている
(2)健全な財務状況、法令順守している
(3)すぐに売却する必要がない状況である
(4)経営課題、強みが明確である

(1)事業の利益が出ている

当然ですが、高い価格で売るためには、売却時点で事業の利益が出ていることが重要です。オーナー企業では、節税の観点からオーナー社長の個人的な経費や、生命保険などの非事業経費があるケースもあるため、それを考慮した事業利益がいくら出ているか、が重要になります。

(2)健全な財務状況、法令順守している

会社売却を成功させるためには、トラブルになる要因について未然に対策するようにしましょう。後々トラブルになるものとして代表的なのが、簿外債務など見落としがちな財務状況の部分や、過去からの株式の変遷に関して不明瞭な点がある、法律に沿って手続きをおこなっていない、などが挙げられます。

(3)すぐに売却する必要がない状況である

M&Aは結婚と同じでタイミングが大切だと考えています。会社の業績がいいときは、経営者の方は、「もっとやれる」と思います。そのようなときに、たくさんの買い手候補が現れます。しかし、もっと業績が伸ばせる可能性がありますので、経営者にとっては売りたくないのです。つまり、「売れるとき=売りたくないとき」です。


しかし、業績が悪い状態でご相談を受けた場合、「いくつかの候補が現れると思いますが、価格のレンジは、恐らくこのくらいですよ」と経営者の方にお伝えします。すると、経営者様は、「業績を立て直してから、またご相談に来ます」といって帰られます。つまり、「売りたいとき=売れないとき」です。


業績が好調に推移し、売上のピークの少し前、または、創業者が「惜しいなぁ」と感じるくらいの時期にご相談いただくと、買い手に条件を呑んでもらいやすくなります。

(4)経営課題、強みが明確である →相手先を選ぶヒントにもなる。

会社売却を検討するときは、まず自社の強みを把握することが大切です。会社売却を成功させるためには、売却先を見つけることが最重要事項となり、そのためには、自社の強みを把握し、その強みをアピールすることが重要な戦略となります。


強みの把握に加えて、経営課題を明確にすることも重要です。例えば、売上の季節変動が大きいが、人的リソースは年中通して変わらないため、売上が低い時期(4~6月など)は人余りが生じてしまうなど、といったことです。こういった経営課題は、M&Aを通じて解消できる可能性があります。逆に、経営課題を解消できる先に売却することにより、売却後、売上、利益を向上させることができます。こういったことが可能であれば、売却価格についても相場よりも高く売却できる可能性がでてきます。

■会社売却の相手先の決めかた

■会社売却の相手先の決めかた

会社・経営者同士の相性は非常に大事です。会社売却の相手先選定にあたっては、「相性」や「直観」といった要素もあります。「何かひっかかる点がある」「価格条件にギャップがあるが、なぜか良いと感じる」など、会社どうしの相性も見落とせないポイントです。相手経営者の人柄、相手企業の社風など、気に入らない点があるにもかかわらず交渉を進めてしまうと、途中で破談となる可能性もあります。


シナジー(相乗効果)を考え、将来のビジョンを描けるかどうかは重要です。相手先の検討にあたっては、お互いの強みや弱みを披露しながら、お互いの将来のビジョンを描いていきます。ここで注意をしていただきたいのが、相手に惚れこまないことです。いいところ(強み)ばかりが際立ち、よくない部分(弱み)が見えなくなってしまいます。また、今でなく数年先を見据えて、シナジー(相乗効果)を考えることも重要です。

■会社売却の相手先の探しかた

会社売却の相手先を探す方法は、主に以下の2つです。
・自分で相手先を探す
・M&Aアドバイザーがいる仲介会社や金融機関に探してもらう


M&Aアドバイザーに依頼する場合には、当然それなりの費用がかかります。そのため、自分で会社売却の相手先を探そうと考える経営者もいらっしゃると思います。取引先や知り合いの経営者同士で会社売却の交渉をした場合、相手が引き受けてくれる可能性があるかどうかもわからない状態からスタートすることが多いため、はじめに会社売却の話を持ち掛けるハードルは低くはないと思います。たとえ会社売却の打診ができたとしても、条件交渉の場面では、自分が話を持ち掛けた側であると、価格面を含む条件交渉の場面では、強気の提案が難しく、市場価格よりも安値で交渉せざるを得ない、という状況になりかねません。また、その過程で多くの利害問題が発生し、深刻な対立が発生しかねません。この様なケースでは本業に集中できないばかりか、多くの労力と時間を要して、結局交渉が不成立に終わることが多いでしょう。


多くの経営者にとって会社売却は一生に何度も経験することではありませんので、専門家の費用を惜しんで関係性が悪化したり、失敗に終わったりといった結果となるより、専門的知識と客観的な判断のできるM&Aアドバイザーに相談することが望ましいでしょう。

■コーポレート・アドバイザーズM&Aの紹介

コーポレート・アドバイザーズでは、2002年の創業以来、様々な業種において累計1000件以上のM&A支援(仲介・アドバイザリー、企業調査/デューデリジェンス、株価算定/バリエーション、組織再編など)をおこなっています。売り手、買い手の状況に応じて、仲介形式、アドバイザリー形式での対応のほか、企業調査/デューデリジェンス、株価算定/バリエーション、組織再編などの部分的な支援も柔軟に対応しています。実績に基づいた客観的な視点で、理想の相手先から高く評価されるための事前準備からお手伝いをおこなっています。無料相談会、企業経営者向けの無料セミナーは随時開催しております。お気軽にご相談ください。

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