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セミナーレポート(2018年11月14日開催)
第4部『人事・労務マネジメント上の必要なアプローチ』
近年、多くの企業が成長戦略の一環としてM&Aを活用しています。ただ、M&A実施後に人事・労務上のトラブルが表面化し、レピュテーションリスク(信頼・評判の毀損)に発展するケースも見受けられます。そこで、再注目されているのが、M&A実施前の「人事・労務デューデリジェンス(DD)」です。
■買い手に移転されるリスクの認識(労務DD)
労務DDでは、主に対象会社の労務実態を把握し労務リスクを洗い出す調査になります。労務リスクには、金銭リスク、指導リスク、訴訟リスクなど様々なリスクがあり、企業価値に直接影響を及ぼす未払い残業代や労働保険未加入問題などがあれば、マイナス要因として評価し、適正な売買価格への調整を行います。
買手に移転されるリスクの確認(労務DD)
・簿外債務、未払い賃金、労使トラブルの有無など労務上のリスクを洗い出し
適切な資産評価を行う
■PMI(Post Merger Integration)を見据えた人事マネジメント上の課題分析(人事DD)
人事DDでは、M&Aのスキームやリスクフォーカスの粒度の違いにより調査項目も変わりますが、基本的にはM&A後のPMIを見据えて、人事マネジメント上の課題を抽出します。例えば、拠点の統廃合に伴い人材移管がある場合には、①M&A直後に事業継続できる人材の量と質を維持、確保できているのか、②どんな人員構成で、どれくらいの人件費で機能しているのか、③職制や役割、権限等の歪みが生じていないか等を洗い出します。もしも人事マネジメント上の課題があれば、「いつ、どのような対処・対応をすべきであるのか、あるいは、解消するのにどれくらいのコストがかかりそうなのか」など、予測可能と考えられる材料をできる限り抽出しておくことがポイントです。
将来的に統合を視野に入れている場合には、双方の人事制度や報酬水準のギャップ、企業文化の違いについても把握しておくことが肝要です。
PMIを見据えた人事マネジメント上の課題分析(人事DD)
・事業承継上の必要な人材の量・質の確保
・人事制度や報酬水準などの両社ギャップの程度
・現制度の継続、または統合に伴う将来的な人件費推移
・労務コンプライアンス上の問題、労使問題の有無
■PMI後の人事マネジメント
PMIの狙いは、「人的パワーの維持」と「人事制度の再構築」です。環境整備や人事制度を再構築により魅力ある新体制を打ち出すことで、旧体制との決別を促し、人材流出を防ぎ、社員のモチベーション向上につながります。企業としてもより強固な体制を築くことになりますので、ブランディングにも効果が期待できます。
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このようにM&A前のDD時点で経営資源としての「ヒト」に焦点を当てることで、統合の失敗リスクを下げ、統合後のスムーズな運営が可能となります。早い段階から人事マネジメント上の課題を抽出し、PMIの展望、構想を練ることは前準備として必要なプロセスといえるでしょう。
■サービスメニューのご紹介
・M&A仲介/フィナンシャルアドバイザリー
・M&Aマーケティング/ファインディング(案件発掘)
・デューデリジェンス(財務・税務・労務)
・バリュエーション(株価算定)
・企業再編コンサルティング
・PMI(Post Merger Integration)支援
第1部
「成功するM&A戦略のヒント」
第3部
「税務上の注意点と選択のヒント」
第5部
「PMIにおける税務会計上の諸問題と対応ポイント」
第6部
「買収後の管理とM&Aの成否」
コーポレート・アドバイザーズM&Aへお気軽にご相談ください。
M&Aに関する無料相談やセミナーを随時行っております。