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システム開発業界のM&Aでは、システム開発業に分類される上場企業や売却事例が多数あるため、M&A・売却相場が分かりやすい業界の一つです。
初期的な売却価格の価値試算において最もよく使われる方法は、類似会社比較法(マルチプル法)です。
EBITDAマルチプルは、マーケットアプローチと呼ばれる、類似会社の市場価格や指標を参考に計算する方法です。
「マルチプル」というのは、企業を評価する倍率のことを表しており、特定の指標と企業価値との関係性により評価する方法をマルチプル法と呼んでいます。EBITDAマルチプルでは、事業価値(EV)をEBITDAで割った指標「EV/EBITDA倍率」を使用します。
EBITDAマルチプルの具体的な計算方法としては、対象会社の「予想EBITDA」に類似会社のEV/EBITDA倍率の平均値として算出した「市場倍率」をかけて事業価値(EV)を算出し、「非事業用資産(余剰資産)」を足し、借入金やリース債務などの「有利子負債」を差し引いて株主価値を算出します。
なお、「非流動性ディスカウント」とは、非上場会社の株式が上場会社の株式に比べて流動性が低く、非上場会社の株式を換金しようとするときには追加的なコストがかかるために、上場会社の株式に比べて低く評価されることをいいます。算定された株主価値から20%~30%程度をディスカウントすることがあります。
しかし、最近の大手監査法人系のFAS会社などでは、過半数を取得すればいつでも売却できるため、非流動性ディスカウントを考慮しない実務が浸透しているようです。
日本のシステム開発業(中堅・中小企業)における会社売却・M&AのEV/EBITDA倍率は3~8倍程度が相場(規模・領域・地域・人材の状況などによって大きく異なります)と考えられます。
EBITDAマルチプルは類似する上場企業を基準として、客観的に企業分析ができ、DCF法に比べて計算が簡単で、簡便的に評価できるのもメリットです。
一方、デメリットは、設備投資計画が織り込めないことと、会社によって細かい事情が異なり、EBITDAマルチプルだけでは正しく評価できない場合があることです。
システム開発業といっても領域は多種多様です。より実態にあった価値評価にあたっては、システム開発業界のM&Aの実績が豊富にあるM&A専門会社に価値試算の無料相談をすることがおすすめです。
システム開発業のM&A事例には、異業種によるシステム開発業の買収、同業種によるシステム開発業に買収の2つに分類することができます。
システム開発業界の最新M&A事例は以下記事で詳しく紹介しています。
受託システム開発業界は、企業などのシステム利用者や大手システムインテグレーター(SIer)などからオーダーメードで、各種のシステム開発を行う企業の集まりです。
日本標準産業分類の「受託開発ソフトウェア業」にあたります。同分類によりますと、顧客の委託により電子計算機のプログラムの作成及びその作成に関して、調査、分析、助言など並びにこれらを一括して行う事業所を指します。
昨今では、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、ソフトウェアをインターネット経由で利用するSaaS(Software as a Service)なども普及し、新たなシステム開発業務も生まれています。
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